西條 康夫
先日、妻とコンサートの帰りの夕方歩いていたら、大きくきれいな月が見えました。ビルの屋上の高さで、一見看板と見間違う明るさでした。ふと考えたら、今年の「中秋の名月」である9月13日の2日後でした。きれいなわけですね。中秋の名月といえば、お月見に欠かせないのがお団子ですね。
さて、本を調べてみますと、「中秋の名月」(別名十五夜)は旧暦8月15日の夜のことのようです。1年中で最も空が澄み渡り、月が明るく見えるため、平安時代から「観月の宴」が開かれ、これが江戸時代になると、広く庶民の間に広まったそうです。「中秋の名月」は秋ですので、収穫の季節ですから、収穫への感謝のお祭りとして、米粉による団子をお供えするようになったそうです。ススキも飾りますが、これは神様を招く依り代(よりしろ)で、本来は稲穂ですが、お米の収穫が終わってますので、ススキで代用したということのようです。
忙しい毎日を過ごしていると、季節の行事やらを忘れがちになってしまいます。私たちは、年中行事を通して、季節を感じ、収穫を祝い、先祖の供養をしてきました。
もっと時間的に余裕ある生活をして、季節の移り変わりを感じ楽しめたらなと思いました。
最近は、誰もかしこも、スマホを見ながら下を向いて歩いている人が多いですが、夜空の月や星を見ながら、時には歩きたいものですね。
(令和元年10月号)