笹川 力
2019年9月8日(日)に、新潟市民プラザで、「県民のための健康セミナー2019 認知症~専門家からのメッセージ~」が新潟県医師会、新潟県歯科医師会、新潟県薬剤師会主催で開催されました。
講演1 認知症とおくすり~みんなで考えてみませんか?~
上越地域医療センター病院 薬剤科
薬局長 宮川哲也先生
認知症では、薬の飲み込みが悪くなったり、薬をうっかり多く飲んだり、逆に飲み忘れたりして害がみられます。そのために、剤形を口の中で溶ける薬にしたり、ゼリー薬や貼布薬にします。また、服薬回数を1日3回を1回にします。合併症の心房細動で薬を飲み忘れると脳梗塞の発生が増えます。
講演2 認知症とお口の健康
日本歯科大学新潟病院 訪問歯科口腔ケア科
准教授 白野美和先生
歯がなく、入れ歯を使用していない人は、20本以上歯が残っている人の1.85倍も認知症になるリスクが高いことが示されています。認知症のアルツハイマー病は、脳の海馬に蓄積するアミロイドβ蛋白で発生します。よく噛むと海馬の神経細胞を活性化します。また、歯周病は認知症を悪化させ、飲み込みが悪くなり誤嚥性肺炎を起こします。認知症になったら歯磨きや入れ歯の管理が大事です。
講演3 脳血管をまもって認知症を防ぐ
国立病院機構西新潟中央病院
脳神経内科医長 髙橋哲哉先生
認知症には、「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、「その他認知症」があります。脳血管性認知症は脳卒中(出血、梗塞)で起こります。脳卒中は①肥満、高塩による高血圧、②肥満による糖尿病、③心房細動による不整脈、④喫煙で発生します。脳血管をまもって認知症を予防しましょう。
(令和元年10月号)