中平 浩人
恒例の上信越三県医師親善ボウリング大会が、去る6月16日にパークレーン高崎にて開催されました。上信越三県と栃木県から総勢27名の選手が集い(写真)、ダブルス3Gとシングルス3Gを競いました。
大会は、全国大会の優勝/上位入賞経験者らでも手古摺る難しいレーンコンディションの中、確実なスペアとHCを生かした選手が好成績を残す結果となりました。そのような中新潟県勢は、ダブルスで新潟C(高畑・伴野選手) が4位に入賞し(優勝は長野B)、シングルスはダブルスから突然変異した中平(新潟)が優勝しました。来年の大会は新潟県主催です。
今大会では旧知の選手らと情報交換をする中で、従来にない“変化”を感じました。長年鍛錬してきたフォームを変える選手が少なからずいるのです。決して若くないにもかかわらず、今からでも自分の個性により合うスタイルを見つけたいという期待感と向上心を感じ取りました。この変化の背景には、近年のボウリングの変貌があるように思います。かつての大ブーム時代には、トラディショナルなone-hander(片手投げ)が基本でした。もちろんそのスタイルは今も主流です。しかし、昨今の小中高校生や若いプロの多くが、one-handerでも型にはまらないダイナミックなフォームで剛球を投じます。大ブーム時代の感性で彼らの投球フォームを目の当たりにすると、必ずやカルチャーショックを受けると思います。
さらに、現在世界No.1と称される全米(PBA)プロはtwo-hander(両手投げ)で、放たれるボールの超高速回転と曲がりは凄まじい限りです。また、ここ3年で頭角を現した同じPBAの若手プロはone-handerとtwo-handerの中間スタイルで、これまでのボウリング通念ではその技術を描写できません。
このボウリングの変貌は、基本の型にはめ込まず、多様な個性や特異性をそのまま伸ばすようになったコーチングの産物です。前述の世界No.1プロは、“singular chirophobia(片手恐怖症)”のため生来両手で投げる方が自然だったと告白し、両手投げをそのまま磨き上げ、今やtwo-handed styleの神様として崇められています。一方、若手プロは“hypermobility (過剰運動)”による人並み外れた手関節の柔らかさを利用して超高速回転ボールを投げ、何より彼のpersonality(ADHD)が大好きなボウリングの勝負所で比類なき集中力を発揮させています。他にも磨き上げた個性を武器に活躍するボウラーがひしめき合い、ボウリング・スタイルの多様化が加速しています。
当倶楽部の練習会でも、片手投げの傍ら、dynamic投法や2-handed投法に挑戦しています。ご一緒にいかがですか?
(令和元年10月号)