大滝 一
はじめに
新潟市医師会は19の地区班と大学班、市役所・市民病院班、県庁・がんセンター班の22の班から構成されており、この班が医師会の基本的な組織単位で、会員はいずれかの班に属することと定款の施行細則に記されています。
私が所属するのは12班で、その班会議と忘年会が令和元年12月18日に駅前の「あわしま」で行われました。その際に班の会則の改定、大学病院敷地内に建設予定の「ドナルド・マクドナルド・ハウスにいがた」への寄付、さらに新潟大学医学生の臨床実習受け入れについても協議されました。その協議内容と結果についてご報告させていただきます。
12班と会則について
12班は西が弁天橋から東は亀田早通あたりまで、そして北は旧49号線より南は市民病院あたりまでとなっています。ここには市民病院以外に東新潟病院と猫山宮尾病院の二つの病院、15の医院に加え老健施設が一つ、さらにはビッグスワン内に新潟県健康づくりスポーツ医科学センターがあります。班員数は36名(令和元年11月:医師会名簿)となっております。
新潟駅も近く、新新バイパス、亀田バイパスに加え、日本海沿岸東北自動車道のインターが二つあり交通の便は良好です。施設としてもビッグスワン、エコスタジアム新潟、県スポーツ公園、いくとぴあ食花、動物ふれあいセンター、天寿園などがあり、多種多様な楽しみ方ができる地域となっています。最近、スパ&ラウンジもできました。近い将来、高速道路近くの大規模な開発が予定されており、さらに大きく発展しそうな地域です。
班の会則は、平成23年に班の再編があり、それまでの班が中央区の12班と東区の13班に分かれました。その際に私が班長となり、殆ど休眠状態だった班の会則を掘り起こし改定しました。それも時が経ち現状にそぐわない部分が出てきたため、現在の班長である伊藤拓緯先生が現状に合わせて修正したものを提示してくれました。班長経験者の事前協議を経て、当日の班会議で協議し改訂版が出来上がりました。新たに開業される先生がいない中、班長続投となった伊藤先生のご努力に深謝いたします。皆さんの班の会則はどうなっていますか。
マクドナルドハウス建設への寄付について
皆様もご存知のことと思いますが、新潟大学では、がんや心疾患などで自宅から遠く離れて長期療養を余儀なくされる小児が安心して治療を受けられるように、家族が子どもの近くに滞在できる施設を大学病院敷地内に建設することが決まっております。大学病院のほかに県立がんセンター、新潟市民病院に入院しているお子さんのご家族も利用でき、利用料金はかなり安くなる予定です。この件に関しては、新潟大学が公益財団法人「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」に申請を行い、建設の認可を受けました。日本で12番目、日本海側では初めての施設となり、10部屋が設けられるとのことです。
その建設にあたり費用の半分の1億8千万円は、新潟大学が寄付を募り独自で集める必要があります。そこで新潟大学では2019年10月から2020年8月まで寄付を募集しています。12月時点では約6千万円の寄付が集まっているとのことですが、まだまだ十分とはいえない状況にあり、2019年4月に新たに新潟大学医歯学総合病院長になられた冨田善彦教授も学士会報の112号で寄付を呼びかけています。
このような状況を鑑み、マクドナルドハウス建設に班として是非寄付をしようということになりました。12班では、私が班長のときに会合の際の会費を無料とし、今回は伊藤班長が年会費の無料化を提言したように、班の会計に余裕があり、最終的に年会費の無料化とマクドナルドハウスへの50万円の寄付を決定しました。
医師会の19の班においては会計に余裕のあるところも多いと思いますので、是非このマクドナルドハウス建設に寄付をされてはいかがでしょうか。なお、この寄付に関する新潟大学のURLは以下となっております。
https://www.niigata-u.ac.jp/university/donation/dmh-niigata/
学生実習に関して
新潟市医師会では新潟大学医学部と県医師会からの要請を受けて医学生の実習を市内の医療機関にお願いしています。具体的には新潟大学から直接医師会に8月と12月下旬にそれぞれ1日、1施設あたり1~2名で6~8施設。それとは別に大学から県医師会を通じて8月20日頃に2日間にわたる医学部新入生を1施設2名、14施設への依頼があります。
2019年8月27日(火)、28日(水)に1年生2人の実習を引き受けました。当院は耳鼻咽喉科ですが、せっかく実習いただくのであれば、いろいろな科を見学していただき、少しでも新潟の医療に関心を持っていただきたいと思いました。ただでさえ医師が少ない新潟県ですので、一人でも多くの医師に新潟に留まってほしいと考えています。
そこで、初日の午前は当院、午後は「ながたクリニック」の伊藤拓緯先生に整形外科、奥様の伊藤明子先生に皮膚科の見学をお願いしました。二日目の午前は「新潟こころの発達クリニック」の遠藤太郎先生と田村立先生に、そして午後は「県健康づくり・スポーツ医科学センター」に見学をお願いしました。センター長で元新潟大学長の荒川正昭先生から、学生さんに新潟県の医療事情などの有難いお話もいただきました。
当班に限らず、複数の科が集まる地域が多いと思います。そのようなところでは、協同で積極的に学生実習を引き受けてみてはいかがでしょうか。一つの施設では負担が大きくとも、いくつかの施設で半日ずつ担当すれば負担は軽くなります。また実際に担当してみると、若い医学生の考えていることなども分かり、案外楽しいものです。また、この実習が学生さんに新潟の医学に関心を持っていただけるいいチャンスとも思います。
新潟大学ではこの医療機関における臨床実習をさらに増やしたい意向のようです。是非お近くの医院同士で協力し、学生実習を担当してみるのはいかがでしょうか。ご検討いただきますよう宜しくお願いいたします。12班も有志を募り、力を合わせ、今後の学生実習を担当しようということで先生方から賛同をいただきました。
まとめ
以上、今回の12班の班会議で協議された、班の会則、マクドナルドハウス建設の寄付、学生実習の引き受けについて報告しました。お互いの医院が近い同じ班でも、協議や会食を共にすることは普段なかなかありません。当班も年に2回だけです。今回もそうですが、アルコールが進むほどに話が盛り上がり、医師会に対する貴重な意見や頭の痛い苦言もいただきます。しかし、車の話などで盛り上がり、最終的にはいつも和気あいあい、またお会いしましょう、と散会となります。今回も、実りある協議と楽しい宴席に皆さんご満悦の様子で、意義ある班会議と忘年会でした。
(令和2年3月号)