伊藤 久彰
遂に我が家にも振り込め詐欺の手紙がやって来ました。宛名は妻宛ですが、妻は特養に入所してもう8年ほどになります。その封書には差出人の名前は書いてなく、中を開けて、その文章を読んでみて驚きました。世間では、これだけマスコミ等で振り込め詐欺について警告がなされているにも拘わらず、その被害が無くならないのは、さもありなんと思いました。その私の所に来た手紙ですが、題名は「民事訴訟最終通達書」とありました。そして中の文章は次のとおりです。「本通達は貴殿に対し契約不履行による訴状が提出されたことを貴殿に通達し、本通達の後、訴訟取り下げ最終期日をもって民事裁判が開始されることを通知する。本通達に対しこのままご連絡なき場合は預貯金や有価証券、動産、不動産の差し押さえが強制的に執行されます。本件に関する問い合わせは必ずご本人さまからご連絡をお願いいたします。」という様な内容でした。法律に詳しくない我々はこんな文章を見るとびっくりします。しかし落ち着いてよく見ると、いろいろと不可解な点が多いのです。まず封書には差出人の名前が書いてありません。勿論、中には相談窓口として、「訴訟通知センター」と書いてありますが、そんな窓口があるかどうかは判りません。でもそれだけで何かうさん臭い気がします。更に問い合わせの日にちが3日しかありません。きっと考える余裕を持たせたくないのでしょう。そして私は早速その封書を警察に届けました。警察の若い女性警察官は白手袋をして受け取りました。でも、既に郵便配達人を含めて当医院の職員や何人かの人が触っているので白手袋はあまり意味がないでしょう。ともかく是非、犯人には捕まってほしいと思います。
(令和2年4月号)