大滝 一
今、世界中で新型コロナウイルス感染者が増加し、多くの方が亡くなっており心よりご冥福をお祈り申し上げます。
その陰で、ひそやかにじわじわと感染を広げているのが、このにゃん型ゴロニャン感染症です。ただし、この感染症は病気ではありますが、決して人に危害を加えるものではありませんのでご安心ください。むしろ、循環器系の安定、精神の安静のための極めて有効な治療の一手段となっています。
発症地は世界各地にありシャム、ペルシャ、ロシアのブルー地方、アメリカのショートヘア地方、日本では西表の山の中などが有名です。
初期症状としては、まずは写真や動画を撮りまくり、インスタにあげたりラインで友達に送りつけたりします。重症になると、家じゅうに「人生ニャンとかなる」「岩合さんの“のらねこ”」や「必死すぎるねこ」などの猫カレンダーをかけまくります。さらに進行すると、新潟市医師会報という発刊50周年を迎えようとする歴史ある会誌に「ねこ、ネコ、にゃんこ、そしてまたまた猫」などという、どうでもよい記事?をシリーズ的に掲載してもらったりします。読むほうも読むほうで、読者もこのにゃん型ゴロニャン感染症に罹患していると思われ、今後の重症化が大変懸念されます。
また似たもの夫婦といいますが、夫婦で感染してしまうと、どこに行っても二人の話題はやはりニャンとなります。パリのエッフェル塔に上っても、マドリードのサグラダファミリアを見上げながらも、はたまたワイキキビーチで陽光にまどろみながらも「にゃんたち、にゃんたち!」などと人目をはばからず世界中で叫んでしまうのです。正直、このような夫婦とは距離をおかざるを得ません。
というゴロニャン感染症ですが、一方オリンピックの開催が延期となった新型コロナウイルス感染症、何とか早期に終息してほしいと願ってやみません。
(令和2年4月号)