大滝 一
エジプト紀行二日目(ギザの3大ピラミッド、スフィンクスとラクダ)
さて今日は、今まで幾度となくテレビや本などで見てきたギザの3大ピラミッドとスフィンクスです。昼食はあまり期待できそうにないので、ホテルでしっかり朝食を取ってから出発しました。
ピラミッド中最大、一辺230m、元々の高さ146mのクフ王のピラミッド、その奥に143mの高さのカフラー王のピラミッドが見えてきました(写真1)。現在の高さは140mより低いとのことですが、間近で見るととてつもなくでかい。半端ないスケールに驚愕です。
最も大きなカフラー王のピラミッドは1個2~3トンの石約250万個からできているとのことでした。ここも中に入ることができ、昨日の赤のピラミッドで激しい筋肉痛の足ではありましたが、二度と来ることがないと思い頑張って耐え忍んで入ってきました。入り口から一旦下り、そしてかなりの勾配の中を登り石室にたどり着きました。昨日の赤のピラミッドに比べれば、通路の高さもあり、匂いも昨日ほどきつくはなかったです。ただ足は悲鳴を上げていました。
通路の一部は天井が高く(写真2)、石の組み合わせが段差になっていて崩れないような仕組みになっていました。石室の天井の大きな石も落ちないように工夫されているとのことですが(写真3)、その仕組みはよく分からないそうです。なお、ピラミッド内はカメラ持ち込み禁止ですので写真はインターネットに掲載されたものを使わせていただきました。
石室内では、今までに味わったことのない体の底から湧き上がる強力なパワーを感じました。まさに世界に誇るパワースポットです。
現地ガイドの話ではエジプトには109のピラミッドが造られたそうですが、たった一つを除いて全て盗掘にあい、貴重な品々は殆どが盗まれてしまっているとのことでした。ピラミッドが造られなくなった理由の一つが、盗掘を防ぐためで、その後の王たちはナイル川上流の人目につかないところに墓を作るようになったとのことです。今回は脚を延ばしませんでしたが、それがルクソールなどだそうです。
さて次は、せっかくエジプトに来ましたので、ラクダです。タイでは象に乗りましたし、感染症の懸念はあるものの、乗らない手はないです。3大ピラミッドをバックにラクダにまたがるこのワンショットは生涯の記念になります(写真4)。しかし、ラクダに乗るときはかなり怖かったです。座ったラクダに跨りましたが、そのラクダがお尻を上げて立ち上がるとき、前につんのめって落ちそうになりました。同行の女性は大きな悲鳴を上げていました。
10分ほどのラクダライドを終え、今度はもう一つのハイライトであるスフィンクスです(写真5)。やはり本物の迫力は違います。クフ王のピラミッドを背景に立つ人間ライオンはとても凛々しかったです。私には、以前からスフィンクスに尻尾があるかという疑問がありました。そこで期待を持って後ろに回ると、ありましたありました、立派な尻尾がありました(写真6)。でも全体から見るととても可愛い尻尾でした。
この後、昼食をとり、世界で初の紙といわれる、パピルスショップに寄り、土産を購入し、夜のピラミッドの光と音のショーに備えて一旦ホテルに帰り一休みしました。
さて、そのショーですが、まず寒い!フリースを一枚重ね着していったのですが、それでも寒かったです。特に脚が冷え、ブランケットを有料で借りました。
ショーそのものは、スケールが大きく(写真7)、同時通訳の音声レシーバーで内容を聞きながら観賞させていただきました。内容はともかく、プロジェクションマッピングもあり、見ているだけでも雄大さに見とれてしまいました。帰りにレストランでエジプト風の夕食をとり二日目の観光終了です。
観光最終日
今日は観光最終日で、カイロ市内のモハメドアリ・モスクとツタンカーメンの黄金マスクが飾られているエジプト考古学博物館の見学、そして夜はナイル川ディナークルーズです。
朝一でモスクに向かいましたが、その前にカイロの町について少し触れてみたいと思います。
まず街中に信号がほとんどありません。しかし車は道路一杯に溢れており、中にはヘッドライトがなく、バンパーを紐で結んで落ちないようにしている車もありました(写真8)。9割がたの車は埃を被りよごれていて、あちこちへこんでいる車がほとんどでした。道には車だけでなく、馬車やロバに荷車を引かせている光景もしばし見られ、古代と近代の混合模様には驚きました。
マンションといわれる建物は、作っている最中なのか、壊している途中なのか分からないようなものが多く(写真9)、窓が入っていない部屋もたくさんありました。道路や川端はごみと砂で汚れていて、決して衛生的とはいえない状況でした。
驚いたのは、カイロの街中は砂ぼこりでかすんでいるのに、マスクをしている人が一人もいないことでした。私達がバスを降りる際にマスクをしようとしたら、現地ガイドから着けないように注意されました。カイロではマスクをしている人は病人とみなされ、救急車がきて搬送されるそうです。実際にマスクをしていた中国人が訳も分からず病院に運ばれたとのことでした。
それではモハメドアリ・モスクです(写真10)。広くとても立派なモスクでした。それも素晴らしかったですが、私にとってはその庭にいたニャンが気になりました(写真11)。とても可愛い女の子でした。野良なのでしょうが、人になついていて足にすりすりしてきました。このモスクには他にも猫がたくさんいました。そういえばクフ王のピラミッドの石段の途中で犬が何匹ものんびり昼寝していて、動物におおらかなお国柄と思いました。
さて、今日の観光の目玉、ツタンカーメンの黄金マスクがある博物館です(写真12)。そのマスクは撮影禁止でしたが、想像をはるかに超える美しいきれいなマスクでした。写真はパピルスに描かれたお土産品ですが(写真13)、実際はもう少しうすい感じの色合いでした。本当に綺麗で見とれてしまい思わず手を合わせていたのは私だけではありませんでした。時代を超えて光輝くそのマスクに魅入られるとともに、ピラミッドの石室で感じたみなぎるパワーをここでもいただいてきました。
博物館には、ツタンカーメンの祖父母をはじめ30体ほどの本当のミイラが展示されていました。はっきり見えませんが、写真の木棺の下には、ツタンカーメンの祖父のミイラが安置されていました(写真14)。
エジプト最後の夜は、ナイル川クルーズ(写真15)とバイキング料理でしたが、正直、料理で食べられたのは鳥のから揚げくらいでした。同行の他の3人も「こりゃだめだ」と言ってほとんど手をつけませんでした。ショーも、少年がスカートをひる返して激しく回転するショーがありましたが(写真16)、まずまずでした。
これでツアー観光は終了です。
今回はナイル川の上流のルクソールなどには行きませんでしたが、ここを夏に訪れるときは要注意とのことです。気温が50度にもなり、日陰がなく、かつ地表が暑く、照り返しもあることから熱中症になる人が沢山いるそうです。特に夏休みを利用して訪れる学生さんに多いので注意してほしいとのことでした。
帰り
帰りは初めてのビジネスクラスです。やっぱりいいですねえ!
食事は高級レストランで、ワインも美味しくステーキも付くし。フラットで横になれたので、ぐっすり眠れました。
アブダビからの飛行機にはとても裕福そうな民族衣装の方が数人おりました。私の知り合いがボストン大学に留学していたとき、UAEの友達が、誕生日のプレゼントとして父から飛行機を買ってもらったとのことで、日本人の常識をはるかに超える大富豪ぶりが分かります。
またドバイでは、一夫多妻制が許されており、男性は4人まで妻を持つことができ、王様は10人まで持つことができるそうです。はるか昔のエジプトでは356人の妻を持った王様がいたそうです。よいか悪いかは別です。
また、お酒ですが、私達観光客はホテルやレストランでお酒が飲めますが、エジプトや中東のイスラム圏の人は基本お酒を飲むことができないそうです。あるビジネスマンがUAEに長期出張した際に、給料はバカいいのですがお酒が飲めず、狂いそうになったとの話がネットに掲載されていました。
あとエジプトにはコンビニがありません。スフィンクスの向かいにケンタッキーが1軒あるのみです。これは不便でした。
総括
エジプトは殆どが砂漠で、砂漠の中にカイロの町や空港があるといった感じです。町の中は決して綺麗ではありません。街中のレストランの食事も正直今一でした。コンビニもなく不便です。ただ、それを補って余りある、ピラミッド、スフィンクス、ツタンカーメンでした。時間があれば、ナイル川を遡りルクソール、アブ・シンベル神殿に足を延ばすのもよいかと思います。
雨はほとんど降らないようですが、気温がかなり低くなることがあり、今回も朝晩は何度か寒い思いをしました。夏は相当暑いようですが、時期によっては温かい服装が必要ですので、旅行時の気温をしっかりチェックする必要があります。
トイレ事情はまずまずで、ホテルやレストランではウォシュレット的なものがあります。ただ日本のトイレと比べると、水勢の調節ができずかなり豪快な感じのものです。最初は驚きますが、すぐ慣れますので心配無用です。
以上、とてつもない大きなパワーを戴いたエジプト紀行をお届けしました。
最後に
いかがでしたでしょうか、少しは異国情緒に浸ることができましたでしょうか?
Go Toトラベルは10月1日から東京も対象に含まれ、国内旅行は自由となりましたが、世界的に新型コロナ感染症が落ち着いて、日常生活ももちろんですが、はやく以前のように海外旅行ができることを願ってやみません。
次はいつ?どこにしようか!そうだ、しばらく国内探訪で楽しもう!
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写真2
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(令和2年12月号)