笹川 力
この度は、「新潟市医師会報」が、昭和46年(1971)に1号を発刊して以来、令和3年(2021)3月号で発刊50周年600号を迎えられ、誠におめでとうございました。
私は平成6年3月、新潟市民病院長を65歳で定年退職し、同年4月、名誉院長となりました。
そして新潟県民の特定健診や定期健診などの健康増進事業を担当している新潟県労働衛生医学協会に検診指導医として就職し、新潟健康増進センターに務めました。就職時の人間ドック検診を受けて高血圧(146/94)を指摘され、降圧剤(ユニシア配合剤)を毎朝1錠服用し、現在まで服用継続し、血圧を下げています。人は年をとると皆、血管の線維が増えて動脈硬化となり、動脈硬化になると血圧が上り、血圧が上ると動脈硬化となる悪循環です。動脈硬化が進むと血管がつまり、脳梗塞・心筋梗塞となります。また、新しく導入されたお腹の脂肪測定器でお腹の脂肪を測定したら、「バターの箱の7箱分」と指摘されました。腹部の脂肪が多くなる肥満で高血圧となります。そこで、宴会では酒0.5合とお湯0.5合の1合銚子4本にしていましたが、二次会は出ないことにしました。飲み過ぎ・食べ過ぎを止めました。アルコールの飲み過ぎは、アルコールが脂肪となってお腹に溜り、高中性脂肪血症となり、善玉のHDL-コレステロールが低くなり、悪玉のLDL-コレステロールが増加し、動脈硬化となります。次に平成6年4月よりウォーキングシューズを買って運動(ウォーキング)を始めました。毎日、昼休み(11:30~13:30)に川岸町の新潟健康増進センターから白山公園を通って古町通りの“がんぎ”を速足で歩き、古町十字路まで片道20分、往復40分歩きました。1年後には、お腹の脂肪はなくなり、血液中性脂肪もLDL-コレステロールも血圧も正常となりました。ウォーキングは75歳まで10年間続けて医学協会の副会長を務めました。その後は医学協会本部に移り、会長を務め、階段を昇り降りして体を動かしています。過食による糖尿病の高血糖でNK細胞機能が低下し、がん細胞が増加します。また脂肪のとり過ぎは胆汁酸の分泌が多くなり、その発がん作用で大腸がんが発生します。
また、発がん作用があり、高血圧となるたばこは50歳で止めました。
私は令和2年12月21日に93歳となりましたが、現在も名誉顧問として現役で働いています。土曜日も検診をやってくれという会社が多く、休まずに検診の仕事をしています。私の職場は、新潟健康増進センター、プラーカ健康増進センター、岩室健康増進センター、岩室成人病検診センターです。私は毎日、人間ドック健診で、午前は診察、午後は結果説明です。結果を聞いた人は皆、大喜びで「安心しました。明日からまた元気で働けます‼」と歓声をあげます。令和2年8月には70歳代の女性が健診結果を聞いて、「ありがとうございました。これでまた明日から母の介護を元気でやれます」と大喜びでした。12月初めには60歳代の女性が健診結果を聞いて、「ありがとうございました。これからまた元気で仕事ができます。先生は私達の神様です‼」と言いました。このような大喜びの声を聞いて、私もまた元気で働けます。
(令和3年3月号)