上村 桂
令和2年(2020)は、ホークスファンにとって最良の結果となった。リーグ優勝復活、日本一である。
プロ野球ファンとなったのは、昭和23年春。それから73年が経ってしまった。当初は巨人と南海がお目当で、何故そうなったか理由は確かでない。当時はプロ野球に関する情報源は極めて乏しく、新聞が主であった。この2球団はその年リーグ優勝を争っており、必然的に報道量が多かったと考える。また、巨人には川上哲治選手がいてお目当であった。理由は前年のシーズンオフ、来町した川上自身の講演を生で聴く機会があったからである。
ところが23年のシーズンオフ、いわゆる「別所引抜き事件」が発生した。2位に終った巨人が優勝チームのエースの別所昭(後に毅彦)を引抜こうとした事件で、今では考えられない汚い方法で、結果に対する連盟の処分も極めて甘く、これをきっかけに巨人が極めて嫌いになってしまった。その後は、南海オンリーになった次第である。その後、親会社がダイエー、ソフトバンクと変っても現在まで続いている。ホークスという愛称が残っている事も好ましかった。
その後、巨人はセ・リーグ、南海はパ・リーグに別れ、リーグ優勝の後は日本シリーズを争う事になったが、皮肉なことに、引抜かれた別所が打てず、巨人のV9に大いに貢献してしまった。
平成元年(1989)ダイエーに替り、本拠地も大阪からかつて西武の本拠地であった福岡に移転した。ダイエーの努力が続いたが関西大震災で大打撃を蒙りソフトバンクに移譲され今日に至っている。この変更が結果的には大成功で冒頭でふれたように令和2年現在、日本一を連続4年続けている。この間、誰も思いつかなかった超ウルトラCで、王貞治(現会長)を、平成7年(1995)に監督に据えたのが大きな転機になっている。現在の球団の運営は極めて良好で、今年も日本一V5を狙える状況にある。
(令和3年4月号)