伊藤 久彰
先日、コロナワクチンの集団接種に参加してきました。私は問診を担当していましたが、しばらくは順調に渋滞することなく流れていました。そして、始まってから1時間ほどして一人の女性に見える人が私の前にやって来ました。その問診票には男性に丸がついていましたので、私はとっさに間違えて男性に丸をつけたのかなと思いました。それで小さい声で「男性?」と尋ねました。すると、その人は「はい」と答えました。私は、「あっ」と思いました。それで「はい、判りました」と言って問診票をそのままお返ししました。その後、しばらくして今度は髪を後ろに束ねた一見女性に見える男性が来ました。ただ、問診票の男性に丸がついていて先ほどのことがあったので、迷わずに男性と思ったのです。でも後で考えて、「男性ですよね?」と確認すべきだったかな?と思いました。でも、それは、失礼なのかな?でも間違いということもあるのかな?しかし、性別を間違える人なんていないのかな?と悩みました。トランスジェンダーでなくても男性で髪を長くして後ろで束ねている人もいます。でも最初に述べた人は、おかっぱ頭で髪を銀色に染めていたように思います。知識としてはニュースなどでもLGBTについては知っていましたが、医師として意識して生活すべき時代になったのだと思いました。
その後、ワクチン接種後にめまいがして倒れた若い女性がいました。看護師がバイタルを見て、血圧、脈拍、体温、血中酸素濃度、すベて正常で寒気がして冷や汗が出て手足がしびれて、めまいと頭痛がするとのことでした。吐き気が無かったので、布団をかけて、鎮痛剤を服用してもらって、お茶を少しずつ飲んでもらって、既往歴など聞いているうちに症状は回復して元気になりました。私も時間内に帰れて良かったです。
(令和3年10月号)