品田 章二
食堂の窓際に置いたツル性植物が枯れた。購入担当の妻から名はマダガスカルジャスミンと聞いたような気がする。占める容積が同じ位のプラスチック4号鉢に植わったスパティフィラムを肥料や培養土と一緒に購入した。
『花づくり園芸館(小学館)』によれば、サトイモ科/ササウチワ属。丈夫で育てやすく室内向けの植物、光沢ある緑の葉と白い苞(ほう)からなり、条件がよければ年中開花する、とある。
一回り大きな鉢に植え替えるように言われたので家でプラスチック鉢を素焼き鉢に替えたが、よく見ると同じサイズであった。数週間後により大きな鉢を準備し、底と脇に腐葉土を入れトントンと叩いて土が植物を垂直に保つよう調整した。
白い花びら様な部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、一見水芭蕉の様に見える。艶のある緑が良いコントラストとの記載。その白い部分が緑色になったら花後として株元から切るとあったので切って首長の花瓶に刺して楽しんだ。根元には小さな花芽が二本ほど顔を出していた。
水遣りは簡単そうだが奥が深い。油断すると水不足で葉が前垂れしウラメシヤの様相を、多すぎても元気がなくなる。水は当初脇に分散して注いだが、その後、葉の中心から硯の水差しに容れた60mLの水道水を2日に一回植物の中央に、肥料は10mLをスポイトで鉢の脇から7日に一回注ぐことにした。観てやることが水遣りの原点らしい。朝はテレビは点けずスパティフィラムの脇に置いたラジオを聴くことで目を葉にむけている。
この度の水やり策が観葉植物を立派に生育させより多くの白い苞が付くことを期待する。
(令和3年10月号)