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新潟市医師会報より

新潟市医師会

懐かしの別府航路と九州の旅 -前編-

阿部 志郎

昭和40年代半ば、新幹線は“ひかりは西へ”をキャッチフレーズに岡山駅まで延伸し博多駅へ向け建設中の時代。新婚旅行は関西から瀬戸内海航路を経て九州の別府、宮崎の青島が人気だった。今や高速鉄道網の発達で九州へ向かう優雅な瀬戸内海航路は消滅している。その頃、春の陽気に誘われふらり一人旅に出掛けた記憶が蘇ってきた。

4月15日

新潟から夜行寝台急行“きたぐに”で大阪駅から乗り継ぎ、午前8時40分神戸港桟橋から別府行き客船に乗り込んだ。客船の規模は佐渡航路就航船と同程度。六甲山系をバックに神戸港を離れ、やがて淡路島と明石市に挟まれた明石海峡から播磨灘へ進む。淡路島の海岸線を左手に進む客船の白波をデッキから眺めていた。甲板で見かけた外人カップルが手にする大きな逆円錐型紙容器から互いにポップコーンを指で摘みながら食べてる幸福そうな光景が忘れられない。やがて、右手に小豆島の島影が近づくと遥か前方に幾つもの小島が水平線上に姿を現す。左にテーブル状の屋島を眺め、その奥に高松港が近づくと周囲は小島に囲まれる。多くの島々は多種多様に変じ姿を現す。海面穏やかにして大小の船多し。遠くは二重三重の島影が浮び、近くは千畳敷の海原を水鳥が海面すれすれに飛びかう。昼過ぎになると、新婚カップルが甲板に瀬戸内九十九島の絶景を眺めようと集まってくる。独り者は“あの小島を真ん中に入れて…”など即席カメラマンで忙しくなる。午後からは、陽射しが戻り青空も広がりはじめた。その頃、船内アナウンスが流れた。「これから今治市沖合の大島を通過します。瀬戸内海は一日2回の干満で潮流が変わります。特に大島の周辺は流れが速く、島の信号機がその時の通行方向を船に指示します」

デッキにいた私の眼前に、大島の山肌に設置された赤と青の二色信号が現れた。海面は深緑で波はなくのっぺりとして、海底から沸き上がる潮の流れが見て取れた。船は揺れず、真下から押し上げる潮力で船体はミシミシと音を立てた。月と地球の綱引きが織りなす巨大な力を実感した。幾多の緑多い島々を巡り、夕刻に松山港に船首を向けると町並みを見守るような山腹の松山城が優雅な姿で出迎えた。17時30分接岸、四国から九州へ向かう幾多の乗客の乗り降りがあった。暮れなずむ島影の少なくなった瀬戸内海西部を通り、夜を迎え四国西端の佐田岬灯台を眺めつつ、流れの速い豊後水道では船体をゆっくり揺らせながら、大きな口を開けた別府湾奥へと船は進んだ。

13時間に及ぶ長い船路を経て21時40分、ゆっくりと別府港に接岸した。

明日9時30分発:阿蘇火口経由九州横断やまなみハイウェイを観光バスで熊本市へ向う。

後編へ続く…

(令和3年10月号)

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