勝井 丈美
日本海側初で、全国では12番目となる「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた」が10月1日に、いよいよオープンする。小児がんなどの病気で、入院している子供の付き添いをする家族の肉体的、精神的、経済的負担を少しでも軽減できるよう、患者と家族が利用できる滞在施設の存在を私が知ったのは、数年前のことだ。それよりかなり前に、英会話講師から、アメリカのマクドナルド・ハンバーガーチェーン(通称マック)の脇には、たいていホームレスのための食堂があり、マックは社会貢献していると聞いていた。
ハウス設立運営支援に寄付をした関係で、内覧会の案内をいただいた私は9月10日に行ってきた。ハウスは新津記念館のすぐ斜め裏にあり、新潟大学病院からは近い。1階と2階は共用スペースでキッチン、ランドリー、食堂、図書室、広々としたテラス、キッズコーナー、小ラウンジ、車いす対応のバス・トイレなどがあった。居心地の良い共用スペースがあることで、利用者同士の交流や利用者とボランティアとの交流が自然と生まれ、孤立も防げて良い。3階、4階にバス・トイレ付寝室(ベッド2台)が合計10部屋ある。エキストラベッドやベビーベッドも使用可。
部屋に入ってまず、目を引いたのはベッドカバーだった。ワーッと声が出たほど美しいキルティングのカバーで、デザインにチューリップがたくさんあしらわれた、可愛く、温かく、優しさにあふれた品だった。端っこにNAGOYAの刺繍が。スタッフが、これは「ハウス名古屋」のボランティアさんが作って送ってくれたものだと、教えて下さった。廊下の壁にもキルティングのタペストリーがあったが、そこにもトキが1羽飛んでいて、新潟への思いが伝わってくる。こうした物たちからも、困難に直面し、心細さの中で頑張っている人々は、癒され元気づけられることだろうと感じた。