松浦 恵子
新型コロナウイルス(以下コロナ)の一日の感染者数が新潟県で四桁になって以来、コロナが自分の身近に迫っていると感じていました。
お盆を目前にしたある日、息子の職場で複数のコロナ感染者が発生し、息子もPCR検査陽性で有症状のコロナ感染者になり、同居人である私は濃厚接触者となりました。幸いにも私は無症状でしたが、5日間の自宅待機(不要不急の外出自粛)と健康観察を求められました。
濃厚接触者の注意点①登校・出勤を控える、では2日間の急な欠勤をすることとなり、仕事先に迷惑をかけました。山の日とその後のお盆休みが近かったので、欠勤数が少なくて済んだのは不幸中の幸いでした。
濃厚接触者の注意点②不要不急の外出の自粛(生活上必要な食糧の買い出しなど最小限とし、マスクを着用し混雑する時間帯を避け短時間とする)、については気持ちの上での抑圧を強く感じました。家から150mほどの郵便ポストに葉書を出しに行くにも、やってはいけない外出をしているようで、人目を気にする始末でした。食糧の買い出しは自宅待機4日目になってから、やはりこっそりと、という気持ちで出かけました。外出自粛解除となった6日目以降もしばらくは同じ気持ちで、ここまで自宅待機による重圧を覚えることになろうとは思ってもみないことでした。
感染者当人の息子は規定の10日間、寝室隔離で過ごしました。私は自身の自宅待機の後お盆休みとなり、引きこもりの息子のためのおさんどんをもっぱらとして過ごしました。食事を載せたお盆を部屋の前に置いてドアをノックして知らせ、私が部屋を離れるとドアが開き、お盆が取り込まれる。食べ終わるとお盆が出される。思い返すとなかなか面白い光景でした。会話はゼロ、健康状態確認などのやり取りはもっぱらLINEで行いました。こうして息子は順調に経過し11日目には出勤、コロナと過ごしたお盆が終わったのでした。
(令和4年10月号)