八木澤 久美子
季節の手仕事(旬の食材の加工保存が主)を楽しむことを趣味としている者にとって、6月は最も忙しい月です。最近はコロナ禍で内科医としては忙しいのですが今年も何とかいろいろ作り保存しました。その記録です。
まず梅干し作り。梅は南高梅の大き目の物を買ってきて熟すまでキッチンに置いておきます。その間甘い梅の香りで満たされ癒されます。熟したら洗って焼酎をかけて塩をまぶして重石をのせます。この塩の量は20%から始めて毎年どんどんと減らしていき、今では13.5%になりました。これは私がかびさせずに梅干しを作ることができる最低の塩分量、実験的に試してここに到達しました。しばらくすると梅酢があがってきますが、少しずつ貯めておきます。これも活用しています。初めから梅を浸しておくのです。こうしておくとかびません。しばらくして赤紫蘇につけますがこの時は楽をしてスーパーで購入できる赤紫蘇を使用しています。これで梅雨明けを待ちます。今年は梅雨明けははっきりせず7月末の3日連続する晴れの日を見計らって土用干しをしました。1年後、美味しい梅干しができあがるはずです。梅干し以外にも、紅生姜、新生姜の甘酢漬け、らっきょうの甘酢漬けを作ります。これらは1年保存できます。青梅で梅酒も作ります。青梅は糠漬けに一つ入れておくと良いと聞き糠に一つ入れています。北区濁川のトマトは大量に購入して2時間ことこと煮てトマトソースを作りました。これも保存食のひとつです。
私は食いしん坊で毎晩寝る前に「明日何食べよう」と考えて眠りにつきます。この習慣はずっと以前からです。今年7月連休明けから新型コロナウィルス感染爆発が起きました。記憶に新しいと思います。当院の発熱外来もかなり混雑しました。炎天下の駐車場(駐車場で問診します)とクリニックの間を行ったり来たり、朦朧となりながらも、多くの患者さんを診させていただきました。そんな時でも倒れずにのり越えられたのは、やはりしっかり食べていたからだと思いました。夜遅く帰っても今日はこれを食べると心に決めていた食事を作り食べる、食べ終わって片付けると次の日付になっていることもたびたびありました。そしてまた「明日何食べよう」と考えて寝ます。私にとっては元気でいるための魔法のお呪いのようです。
さて今は秋、実りの秋、食べたい物が盛りだくさん。秋のうちにすべて食べ終わるかなと変な心配をしている今日このごろです。
(令和4年10月号)