阿部 尚平
団塊の世代と言われる我々が小・中学生の頃は、切手収集が一つのブームだった様に思われます。私もその一人でした。今は臨床から離れて仕事も楽になり時間もできて、切手のアルバムをゆっくりと見返す機会もできました。当時は集めて、見て楽しんでおりましたが、今は、見て、使って楽しんでおります。近頃はメールやラインで画面を見て、選択、実行で漢字が決定されます。自分で漢字そのものを書かなくなってしまい、読めはするけど実際には、日頃あまり使わない字から徐々に書けなくなってきているのが、恥ずかしながら最近の私の実感です。そこで、身内の者にはなるべく手書きの手紙を出す様になりました。一緒にお茶を飲みながらお話をする感じで書き進めております。相手にもその旨を伝え、気にせずに読み流して貰っています。古い切手を買い取ってくれるお店もありますが、額面の2~3割にしかならないと聞くにつけ、ならば楽しんで使ってしまおうと、季節や話の内容に応じ、どんな組み合わせで貼ろうかなと、ワクワクしながら時代遅れの方法を利用しています。切手の絵柄も多種多様で、中には使うのが勿体ないと思う物もありますが、「勿体なくない」と感じるその時が来るまで、今少し、見て楽しみたいと思っています。但し、昨今は市内でも翌日には配達はされません。更に土曜休日も配達は無し。市内宛に木曜日に投函しても月曜着。これでは江戸時代の飛脚の方が早そうです。日本郵便にもライバルがあり、荷物類は翌日、土日も配達あり。「何だかね~」と感じているのは私だけではなさそうです。
とは言え、皆様方も眠っている切手をお持ちでしたら、こんな古風な楽しみ方をされてみるのも如何でしょうか。尚、受け取った切手は近くのスーパー等にある使用済切手回収箱に入れ、もう一仕事して貰っております。
有閑老医 拝。
(令和5年4月号)