勝井 豊
今年の夏は記録的な高温少雨であった。7月20日に梅雨明けした後は連日35度以上の猛暑が続き、更に追い打ちをかけるように日照りが続いた。九州などでは大雨による災害が数日に亘って発生しているのに、新潟県はフェーン現象などにより、熱中症警戒アラートが毎日のように発令され、熱中症による救急搬送が多数あったと報道されていた。
暑さで困るのは人間だけではなく、稲作も8月中旬の受粉期に高温被害が発生したり、渇水による不作が伝えられている。家庭菜園の野菜も成長不良で枯れそうになっているものもあった。そんな訳で医院の駐車場の花壇の水やりが日課になってしまった。水道の水や除湿器から出た水などをバケツでせっせと運んで、惜しげもなくたっぷりと花壇に撒いた。
朝夕それぞれ100リットルほどは撒いたつもりであるが、夕方に水やりをすると翌朝にはしゃんとしているが、朝にもう一度水やりをしても、午後になって西日を浴びると葉がしおれてしまう。たとえ土が水分を含んでいても、高温によるダメージは随分大きいようで、焼け石に水の感が否めなかった。グリーンカーテンにするつもりで植えた朝顔もなかなか成長しないし、花もほとんど咲かなかった。
しかし8月中旬になって36日ぶりに本格的な雨が降ってからは、1週間に1~2回は雨が降るようになり、水やりからはやっと解放された。朝顔も青い花を次から次へと咲かせるようになったし、葉も茂ってきてグリーンカーテンらしくなってきた。気象庁始まって以来といわれる今年の猛暑は、台風などの影響のほかに地球温暖化が背景にあると指摘されている。暑さを嘆くだけではなく無理のない範囲で節電を心掛けたいものである。
(令和5年10月号)