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新潟市医師会報より

新潟市医師会

高齢者認知機能検査の体験記

阿部 志郎

75歳以上の人達に、自動車運転免許更新時に高齢者認知機能検査が義務づけられた。

その道路交通法改正を知ったのは、一昨年の初夏だった。

運転免許の更新ができないと、施設へ健診に行けず仕事に支障をきたす事態となる。

その対策を完璧に遂行すべく行動を起こした。

なにやら書店にその認知機能検査対応テキストが販売されていると知り入手した。

内容は…1セクションに16個の挿絵があり、A~Dの4パターンに分けてある。

実際の試験はその中の一つが出題される。

従って、合計64個の挿絵を4パターン全て丸暗記してゆけば合格となる。

早速、暗記を開始した。挿絵は鳥、花、家具、果物、楽器など馴染みの物ばかりである。

各々16枚の挿絵を順次記憶する作業を終え、時間を経てから記憶を呼び戻してみた。

個々の挿絵に相関性がなく無意味な丸暗記は記憶に難儀で順番が不確かである。

私は昔の懐かしい情景を思い起こす時、脳裏にそのワンシーンが静止画で現れる。

その情景を眺めながら言葉にかえて表現する記憶方式である。

この方式を用いて、各々の挿絵を絵柄として脳裏に映像化するアイデアが閃いた。

言葉の“語呂合わせ”も取り入れて工夫し関連性に努めれば、もっと確実になると思った。

例えば“耳・ラジオ”と並んでいれば、耳で聴くからと理由づけ、目(寝不足)・ステレオ・トンボ・ウサギ・トマト・ヤカン(赤銅色)なら赤いカラーで印象づける。

1ヶ月後に64個の絵柄を脳裏に焼きつけて、流暢に言えるようになった。

準備万端で通知を待っていたが連絡なく、電話で尋ねると書換えはもう1年先だった。

折角、覚えたので一年間脳裏に保存して待つことにした。

風呂場でゆったりと64個の名前を朗読、就寝前に絵柄を脳裏に思い浮かべては暗唱。

この方式で1年間も記憶の維持が可能だった。

試験の3か月前、行きつけの商店へ買物に行ったら、そこのおかみさんが私と同い年なので免許更新時の認知機能検査の話になった。“もう合格したよ!100点満点だった”

通知が届き受験したら16枚の絵を見せられ、全部覚えろと言われ頭が真っ白になった。

簡単な計算問題のあと、同じ絵をヒント付きで解答したら100点満点だった。

日常的な絵だよ“リンゴ”とか…チョット待った!私はリンゴの絵柄がないと知ってる。

100点満点はありえない…それはいい加減な試験のように思えてきた。

雪が降り続く2月のある土曜日の午後、試験は近くの自動車学校で行われた。

試験官が小脇に持参した試験用パネルに“Dパターン”の記号を見つけ、その16枚の絵柄をすでに暗唱し始めていた。試験開始前、試験官は絵柄の名を10回も発音反復させる程の親切さだった。試験が終わり“皆さんの解答用紙を巡回しながら拝見しましたが、絵柄の名前は充分に書かれてます。ほぼ100点満点ですね”と言った。

そうか、おかみさんが話していたのはこの試験官だったのか…

後日、“高齢者講習終了証明書”が郵送されてきた。ミッション終了である。

(令和6年4月号)

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