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新潟市医師会報より

新潟市医師会

針波から柳波へ

佐々木 壽英

西高東低の気圧配置となり低気圧が通過すると、冬の日本海は大荒れとなる。この高波が打ち寄せる日本海は写真撮影にとって魅力的である。私は2005年から2017年まで、波の撮影に没頭してきた。そして、2018年7月1日に写真集『日本海の波』を東京の風景写真出版から自費出版した。

一般的な波の撮影は高速撮影である。また、長時間露光のうち比較的短時間露光で撮影(長秒撮影)されることもある。この写真集での高速撮影は1000分の1秒以上の撮影が多い。8000分の1秒の超高速撮影の波も載せている。波高8メートルと聞くと、新潟西突堤へと走った。翌日が晴天で、日本海波高しなら長時間粘って撮影してきた。

この写真集での長秒撮影は、30秒から100秒までのシャッタースピードで撮影されている。シャッターが開いている間に、岩礁は何度となく波をかぶり、雲海を思わせる幻想的な映像が撮影される。これに夕焼けの光が加われば最高である。波高3メートルで、夕焼けが期待されれば美しい岩礁を求めて村上の笹川流れに向けて車を走らせた。

そんな中、撮影時間を変えながら試行錯誤しているうちに、岩礁に衝突する波をシャッタースピード1/10秒で撮影すると、写った波が全て針状に直線的に飛散する画像として撮れてきた。この1/10秒での長秒撮影を行っていた時期が2016年から2019年まで続いた。

夕暮れ時の暗い気象条件下で、たまたま1/10秒に近いシャッタースピードで撮影すると、針状の波が撮影されることはある。今までにこのような針状波が撮影された写真は1枚だけ見たことがある。それは元日本風景写真協会会長落井俊一氏の作品で、福井の岩礁地帯で夕日の光の中で撮影された写真である。しかし、針波としての記載はなく、特にシャッタースピードについての特別な記載もなかった。

病理学の恩師北村四郎教授から、論文には研究で得られた新事実「Neues(独)」を記載しなければならないと教えられた。論文を書くときは、それを忠実に守ってきたつもりである。

写真集『日本海の波』の中に、針状の波を10枚載せている。今までにこのような針状の波に注目した報告はない。この写真集でのNeuesは、この波を「針波」と命名して写真集の中で発表したことである。

針波と云っても文章だけではイメージできないので、1/10秒撮影による夕日に輝く「針波」の写真を載せておく。

最近、蒲原宏先生との手紙のやりとりの中で、100歳まで長生きする秘訣を伝授して頂いた。そのお礼として写真集『日本海の波』をお送りした。

蒲原宏先生は2023年9月18日で満100歳になられた。その蒲原先生から、100歳になられたばかりの10月6日付のハガキを頂いた。

蒲原先生はこのハガキに「昔から冬の怒涛が好きで、荒天の浜で長い時間をすごしました。悩みがあると荒波を見る人間でした」と書いておられる。俳句の名手である蒲原先生は言葉に敏感で「針波という新語と新現象の発見、俳句に何とか取り込みたいと思い一句に使わせて頂きました」と俳句に詠まれて送ってくださった。

「冬晴の 海の針波の 美しき」 ひろし

どんな言葉よりこの一句が写真集『日本海の波』に相応しいと思った。早速、100歳になられた先生の見事な筆致の句を額に入れて机に飾った。私の新たな宝がもう一つ増えた。

岩礁などに衝突する波を1/10秒で連写すると、1枚目は針状に広がる所謂「針波」となる。2枚目は頂点で四方に飛散し、撮影者に向かってくるような波が撮影される。そして、3枚目では柳の枝の如く真っすぐに落下する波が映し出される。この波を「針波」に対して「柳波」とした。「針波」が一瞬にして「柳波」に変身するNeuesを発見した気分である。

「柳波」も言葉だけではイメージし難いので、角田浜で2016年11月16日午後4時10分に撮影した「針波」と「柳波」の写真を載せておく。

「写真-1」(101秒の長秒撮影 JPA公募展入選2011年)

「写真-2」(1/10秒撮影の「針波」)

「写真-3」(蒲原宏先生 満100歳 自筆の俳句)

「写真-4」(1/10秒連写の1枚目「針波」)

「写真-5」(1/10秒連写の3枚目「柳波」)

(令和6年4月号)

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