阿部 尚平
3~4日前の天気予報では、その日は全国的に晴マーク。予てから温めていた伊豆大室山への旅行計画を実行すべく、列車の切符をゲット。しかし前日になると予報はガラリと変り、日本海低気圧とやらで日本海側は暴風・雷注意報まで出る始末。でもアッチ側は大丈夫だろうと考え、強風・雨の中朝一番のバスと朝一番の新幹線で決行。東京駅9時ジャスト、9番線より伊豆急下田行き、定時に発車。特急「踊り子号」。何だかワクワクする様な、そのネーミング!乗車後に車内を探検するとその車輌は20年も前の製造。「踊り子おばさん号」でした。でも少しもガッカリする事なく、年季の入った頼れる「踊り子」に身を任ね、105分で伊東駅に到着。待つ事20分、東海バスで50分、降りた所は大室山の麓、眼前には巨大な緑の壁が!これは山だ!大きな大きな抹茶プリンの縁に立っている感じ!これをよじ登るにはリフトに乗るしか方法はなく、早速チケット購入。微風、快晴の下ゆらりゆらりと6分後には頂上へ。西には富士山、北から南にはぐるっと太平洋。すぐ其処には初島が。大室山はその昔活火山だった時に溶岩を飛沫の様に吹き出して、それが軽石となり、火口の周囲にきれいに積って形成されたのだとか。姿形は「ミニ富士」。九州阿蘇の米塚も同様との事。大室山では毎年2月に野焼きが行われ、斜面には1本の木も無く草ばかり、火口の底までも緑一色。山全体の形がとても均整が取れている。自然はこんなに小さな美しい火山も造るんだなぁと感じる事頻り。正にお伽の国にでも迷い込んだかの錯覚。
帰りの新幹線が長いトンネルを抜けて越後平野に出ると辺りの田んぼは一面に水鏡を張った様。その中の農道を走る自動車はまるでアメンボがスイスイと水面を行く様でした。
かくて、今年80のおじいちゃんのお伽の国への一人旅は無事終了となりました。