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新潟市医師会報より

新潟市医師会

蒲原先生からの宿題

佐々木 壽英

新潟市医師会報2024年1月号に蒲原宏先生が「関西風の山椒の花芽、若葉、皮の食べ方」を寄稿された。その中で、奥様が作っておられた「有馬風山椒昆布佃煮」の作り方を詳細に記載され、死ぬまでにもう一度味わってみたいので、私に作ってもらいたいとの依頼があった。

私が県医師会報に「防風林からの恵み」という随筆を書いたのを見ての依頼であった。蒲原先生から「死ぬまでにもう一度味わってみたい」という大変な宿題を頂いてしまった。その中で、「板昆布は上等のものを使うに限る」、「鰹節は使わない」、「上等な醤油をたっぷり入れて」などと作り方にもなかなかの注文が書かれていた。

高級板昆布を探したがなかなか見つからず、やっと加島屋で「こんぶ土居の天然真昆布」を求めた。品位最上白口浜とあるが、この昆布が北海道のどこで採れたものか分らず、こんぶ土居をインターネットで調べてみた。

この天然真昆布は函館に近い北海道南茅部の白口浜で採取された高級な昆布で、この地域の天然昆布は、昔から幕府や朝廷に上納されていた「献上昆布」であることが分かった。

先生のこだわりの上等な醤油は、新潟駅のぽん酒館で求めた葛塚のだし醤油を使うことにした。

佃煮に入れる山椒は「山椒の若芽、花の蕾、花、ごく若い実を摘んで」とある。

そこで4月27日に防風林で山椒の若芽と花を摘んできた。

材料や作り方の詳細が分らないので、「こんぶ土居」の「有馬の昆布山椒佃煮の作り方」を参考にして作ってみた。一度試作品を作ってみて、少し自己流にアレンジしながら何とか作ることができた。

インターネットで調べた「こんぶ土居」の有馬の昆布山椒佃煮の作り方を簡単に記しておく。

『バットに昆布を入れ、水と酢を注ぎ柔らかくなるまで浸す。鍋に細切り昆布を入れ、浸した汁を加えて中火で40分煮る。酒、砂糖、山椒を加えて15分煮る。醤油とミリンを加えて、弱火で煮汁が無くなるまで2時間煮る。一日置くと味がしみてより美味しくなる』

ゆっくりと時間をかけて、料理を楽しんだ。出来上がった昆布山椒佃煮を蒲原先生から試食してもらうため、ケアハウスを訪ねたが、予約なしだったのでお会いすることができず、受付嬢に手紙と佃煮のお届を依頼して帰ってきた。高齢者向けのケアハウスでは、今も厳重なコロナ対策が行われていることを知った。

後日、蒲原先生からお手紙を頂き、大変喜ばれて104歳まで生きられそうだと言って下さった。

しかし、奥様の評価は今一ツで、山椒の香りが少ない、鰹節の味がするとのコメントを頂いた。調べてみたら、高級醤油はだし醤油で、鰹節が使用されていた。奥様の味覚の鋭さに脱帽した。そこで再挑戦することにした。

再挑戦で注意したのは、山椒の香りをもう少し出すために山椒の実を入れること、鰹節が入らない生醤油を使うことであった。

今回は板昆布でなく、北海道根室の歯舞産棹前昆布にした。成長前に収穫したもので、柔らかく昆布の光沢が良いということで使用した。

作り方は、先回と大体同じだが、下茹でした山椒の実を多く使い、味見しながら醤油と砂糖の量を適当に変えてみた。お醤油は阿賀野市の醸造で、鰹節が入らない濃口醤油を使った。

2023年の夏は猛暑で、防風林の山椒の木の半分くらいは写真2と3のように枯れた状態になってしまった。葉が枯れた木は、昨年の葉の出る時期が遅く、花もあまり付かなかった。

山椒の実の採取であるが、2024年5月26日から31日の間、四ツ郷屋から青山まで、防風林の松くい虫防除のため、ヘリコプターによる殺虫剤の空中散布が行われることを知った。

100歳の先生に試食していただくので、殺虫剤散布前に山椒の実を採らなければならないと思い、薬剤散布の前日5月25日に山椒の実を採取してきた。昨年の猛暑にも耐えて葉が枯れず、しっかりと実を付けた山椒の木を数本見つけて、何とか山椒の実を採取することができた。

蒲原家伝来の「有馬風昆布山椒佃煮」の味には及びもつかないが、2024年5月26日にゆっくりと時間をかけて、自己流「実山椒昆布佃煮」を作ることができた。

5月27日に蒲原先生にお届けした。電話で予約をしたが、その日は面会室に空きがないとのことで、今回も面会することはできなかった。

蒲原先生から5月28日付でご返事を頂いた。「山椒の実の味がピリリと効いて結構な味となっております」、奥様からは「昆布が上等で羨ましい」と何とか合格点を頂きほっとした。

蒲原先生のお便りの最後に、私が書いた新潟市医師会報2024年4月号の「針波から柳波」の記事をインターネットで読んだ67年前の蒲原先生の患者さんが、先生がご健在なことを知って浦安市から訪ねて来てくれると喜んでおられた。新潟市医師会報が色々な方に読まれていることを知った。

これで、蒲原先生から頂いた宿題に何とか応えることができたかな、と思って安堵しているところです。

写真1 山椒の若葉と花

写真2 2023年8月28日の山椒の木

写真3 2023年8月21日の山椒の葉

写真4 実山椒 2024年5月25日採取

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