佐々木 壽英
糸魚川地区にある「120mの大氷瀑カネコロン」の記事が2008年2月新潟日報に載った。
早速、2月25日に糸魚川へ向かった。糸魚川インターから信州への148号線に入り、根治谷入口から225号線奥の別所を目指した。真正面に双耳峰の雨飾山が見えてきた。目的の氷瀑はなかなか発見できなかった。やっとのことで、雨飾山の左に見える海谷山塊左端の駒ケ岳上部にあることを突き止めた。しかし、午後1時半と云うのに氷瀑に霧がかかってきた。そこで霧に包まれた駒ケ岳や雨飾山の撮影に切り替えた。
雨飾山は1963mの百名山である。深田久弥は「頂上に猫の耳のような二つのピークが睦まじげに寄り添って、やはり品が良く美しかった」と記し、戦後になり三度目の挑戦で「ついに私は久恋の頂に立った。風化し摩耗した石の祠と数体の小さな石仏の傍らに、私たちは身を横たえて、ただ静寂な時の過ぎるのに任せた。一休みして、私たちはもう一つのピークの上へ行った。下から眺めてあんなに美しかった、その二つの耳の上に立った喜びで、私の幸福には限りがなかった。」と記載している。
2008年3月2日に再度氷瀑を訪れた。雪崩の危険があり、別所の通行止め地点に車を駐めて、撮影を開始した。この日は快晴で9時半に到着したが、滝の氷柱に朝日は差し込んでおらず、日影になっていた。そこで、氷瀑に光が差し込む10時過ぎになって本格的に撮影を開始した。三脚を立てて、カメラはCanonEOS-5D、レンズはEF100~400mmで最大望遠400mmを駆使した。その結果、ブルーの氷瀑を二度目でやっと撮影することに成功した。
雨飾山と氷瀑を中心に撮影していたが、雨飾山の北側に連なる海谷山塊も個性的で魅力的な山々である。氷爆のある左側の駒ケ岳と、鬼が面山・鋸岳も訪れる度に撮影してきた。
数年後、シャルマン火打スキー場から焼山と火打山を撮影し、120メートルの氷瀑カネコロンの写真10枚を入れた写真集「雨飾山・焼山・火打山」を2022年1月3日になって制作した。
写真1 双耳峰の雨飾山 1963m 百名山
写真2 120mの大氷瀑「カネコロン」
写真3 海谷山塊の駒ケ岳、鬼が面山、鋸岳