勝井 豊
新潟市の中央区でささやかながら、医院を開業しているが、医院の駐車場の周りに巾30センチ程の花壇を作って、チューリップやアサガオ、日日草などを咲かせている。駐車場の奥の方にはミニトマトやシシトウガラシなどの野菜を植えているが、それなりの収穫が見込めて食卓に彩りを添えることもある。
昨年の春にはカリフラワーを3株植えてみた。朝と夕に水やりをしたおかげですくすくと育ち、葉が大きく伸びてきた。しかし、ところどころに虫食いによる穴があき、その数がどんどん増えてきた。よく見るとモンシロチョウの幼虫が体長2~3センチに成長して、日中に気温が上がるとせっせと葉を食べていた。
葉は光合成によって栄養分を作り、それが収穫にもつながるので、虫食いを放置するわけにもいかないので、青虫退治が日課となった。駐車場にはところどころに窪みがあるのでつまみ取った青虫は3メートル離れた窪みに投げ込んだ。葉の表側だけでなく、裏側に潜んでいるものも取り除いた。毎日20匹から30匹を駆除しているつもりだった。
しかし徹底的に駆除したつもりでも、翌朝になるとやはりほぼ同数の青虫がカリフラワーの葉にくっついていた。青虫には目がないし、行動力も限られているはずなのだが、もしかしたら嗅覚を頼りにして元の葉っぱに戻っているのではないかと疑い、つまみ取った青虫をうんと離れたところに移動させてみた。すると翌日からは青虫がいなくなり、カリフラワーもそれなりのものを収穫できた。青虫には申し訳ないことをしてしまったが、その驚異的な帰還能力には敬意を表したいと思っている。