八木澤 久美子
平成6年12月、家族で米国ユタ州ソルトレイクシティに出かけました。私たち夫婦と子供4人(1歳男児、3歳男児、5歳女児、7歳女児)です。前回は迷子予防のため、子供用リードを使った話、飛行機の中で隣のアメリカ人のおじさんや中国人のおじさんが子守をしてくれた話をしました。今回は膨大な荷物をどうしたのかについてです。なにせ冬場で6人の衣類プラスおむつ2人分、1週間分ですから大量の荷物となります。まずは着た切り雀作戦。おそらく汚れないだろうと見越してトレーナーとズボンのセット2回分、1セットは着ていく。次に下着や靴下は使う日数分を用意するが使い古しを持っていき現地で捨てて帰ってくる(現地の人には大変申し訳ないことです)。次に圧縮袋でとことん平たくする作戦。これはその当時流行っていた方法です。最後におむつの話。おむつは3番目4番目の子供が使用していました。1番目2番目の子供にリュックサックを担がせその中に必要な日数分の紙おむつを入れて持ってもらいました。1番下の子供は1歳半の赤ちゃんでしたので何もさせませんでしたが、それ以外の子供は自分が持っていきたい玩具もリュックサックの中に入れて持たせました。これにより私たちの荷物は単身者・小旅行用のスーツケース(65×45×25cm)1個に収まりました。どこへ行っても「これだけ?」とその少なさに不思議がられました。
さて次の話はこの時思いついた、そうだ卒乳もついでにやっちゃえ!です。3番目の子長男、4番目の子次男ですが、1歳半しか離れておらず、弟が生まれた時に長男は完全に赤ちゃん返りの状態となってしまいました。親としてもこんな小さいのに下に赤ちゃんが生まれてしまい、かわいそうなことをしたなあ、という気持ちになりました。ついつい親子ともども哺乳瓶依存になってしまったのです。下の子は順調に育ってもうそろそろ離乳の時期を迎えていました。そこでこの旅行を利用して2人とも卒乳しようと考えたのでした。出発2週間前から言い聞かせました。「今度行くアメリカという国はね、赤ちゃんも哺乳瓶ではなくコップで牛乳を飲んでいるんだよ、哺乳瓶がない国だからね、そのようにしないとだめなんだよ」。毎日毎日、聞かせました。彼らがどの程度理解していたのかわかりません。彼らなりに大変な所に行くらしいとわかったようでした。そして、なんと出発と同時に難なく離乳できたのでした。えっ。こんなに苦労なしに? 拍子抜けしました。長女と次女の卒乳は大変な苦労でした。長男次男はあっけなく終わってしまいました。「子供だまし」という言葉がありますがこういうことね。アメリカに着いてからもスムーズにコップで牛乳を飲んでくれました。ユタ州の牛乳はなぜか美味しく感じました。
その後も道中いろいろありましたが、無事みんなで新潟に帰ってきました。次の日は時差ボケで子供たちみんな、お昼に長時間お昼寝をしていましたが、次の日から何事もなかったように普段通りの生活に戻りました。
今から30年前の話です。良い経験をさせてもらいました。先日、子供たちにこの話をしましたがほとんどの子は覚えておらず、長女・当時7歳がうっすら記憶がある程度でした。