新潟市医師会報より
笹川力先生を偲ぶ会
新潟市内科医会 広報部長（新潟市医師会理事）
八木澤 久美子
本年2月5日、笹川力先生がご逝去されました。突然の訃報でした。1月17日、近所のスーパ－での買い物帰りに転倒され市民病院に救急搬送、入院治療中に病院の皆様の努力の甲斐もむなしく天国に召されました。先生のご遺志でご葬儀はご親族様のみで執り行われました。
4月12日、ANAクラウンプラザホテルにて新潟市内科医会、新潟大学医学部第二内科同窓会、新潟大学医学部第三内科・消化器内科学教室同門会が合同で主催し、ご縁のある先生方にお集りいただき、つつましくも温かい「笹川力先生を偲ぶ会」を執り行いました。総勢60名の先生が来られました。ご家族様はご長女ガーモリー笹川真理子様、ご次女笹川明子様が出席なさいました。
司会は新潟市内科医会総務部長（新潟市医師会長）岡田潔先生が行ってくださいました。ご家族様代表、ご長女の真理子様よりご挨拶、続いて新潟市内科医会より佐野正俊先生、新潟大学医学部第二内科同窓会より鈴木榮一先生、新潟大学医学部第三内科・消化器内科学教室同門会より塚田芳久先生よりご挨拶いただきました。献杯のご発声を新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野教授 寺井崇二先生からいただきました。立食形式で出席された皆様は笹川先生の思い出話で大いに盛り上がりました。新潟県労働衛生医学協会の検診業務の思い出を月岡恵先生より、また第三解剖学教室同窓会の思い出を八木澤久美子がご紹介いたしました。
笹川先生は新潟大学医学部ご卒業後、第二内科学教室に入局、消化器内科医を志し、新潟大学医学部の第三内科（現消化器内科学分野）の設立にご尽力されました。その後は新潟市民病院設立、オスラー協会、日野原重明先生との新老人の会、百働会の設立など多くの偉業を成し遂げられました。市民病院長を辞されたあと新潟県労働衛生医学協会にて検診業務に携わり、土日もいとわず検診に出向いておられました。平成19年秋には瑞宝中綬章を叙勲されました。人間的にも大きな大きな方でした。奥様を亡くされた後はおひとりで買い物をされて、毎朝温野菜サラダを召し上がり、お酒は半分お湯割り（長寿酒と称されていました）自立された生活を過ごされていました。
私たち後輩の医師を優しく指導され、皆に愛され慕われておられました。このような先生が他におられるでしょうか。私は存知あげません。先生の笑顔に皆が引き寄せられていきました。
最後にご長女の真理子様の言葉をお伝えします。お父様である笹川先生を太陽になぞらえ、弟子である私たちを月になぞらえて、「父という日は沈みましたが、多くの太陽の光を月は受けていると思います。皆様方がそれぞれの立場で活躍なさっていると思います。父は新潟の地域医療がますます充実することを心から願っていると思います。」
日没し、月出づる
最後に、笹川先生、大変お世話になりました。ありがとうございました。どうぞ、安らかにお休みください。
