佐々木 壽英
これまでに白鳥を撮影した湖と河川は北海道から琵琶湖まで15か所にのぼった。新潟では、村上の御幕場大池、福島潟、瓢湖、鳥屋野潟、佐潟、上堰潟などで白鳥を撮影してきた。
その中で、私が感動して撮影した、大自然と調和した白鳥の湖2か所を紹介する。
道東の広大な美しい自然の中で遊ぶオオ白鳥を撮影できるのは屈斜路湖です。
もう1か所は、松本近くの安曇野御宝田遊水池です。雄大な北アルプスをバックに飛行する白鳥の姿も魅力的です。
白鳥の写真を本格的に撮り始めたのは、シャッタースピード30分の1秒以下で白鳥の飛び立ちを追尾する流し撮り技法を知ってからであった。村上の大池は白鳥との距離が近く、バックが松林で流し撮り撮影に最適な池であり、何年も通った。20分の1秒、更に15分の1秒と次第にシャッタースピードを遅くして羽の動きを美しく表現する撮影技術を磨いてきた。
2007年4月8日に15分の1秒で撮影した「朝日を浴びて」を応募数約5万点の第47回富士フイルムフォトコンテストのネイチャー部門に応募し、優秀賞を受賞した。
2007年4月3日に撮影した10羽の白鳥がV字型に集団飛行する「V字飛行」で2008年の県展に入選した。
その後、望遠のズームレンズを急速に動かして白鳥が飛び立つ姿を撮影するズーミング手法が話題となり、私も少し試みてみた。しかし、自分が意図した写真でなく、偶然に撮れた画像の中から作品を探し出すという作業が続き、あまり真剣には撮影してこなかった。
長い間、白鳥の写真集を作りたいと思ってきた。2022年になって、白鳥を撮影した湖14か所を選び、写真集「白鳥の湖」を製作した。
次に、白鳥のシングル、デュエットや群舞の美しい飛翔姿を纏めた写真集「白鳥」も製作したいと思って資料を集めている。
(令和7年8月号)
写真1 屈斜路湖
写真2 安曇野御宝田遊水池
写真3 朝日を浴びて 撮影時間1/15秒
写真4 ズーミング手法による作品