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家事がつらい

八木澤 久美子

医師として働くかたわら主婦業もしている。今風に言うならば二刀流。なので家に帰れば家事が待っている。内科医の仕事はそれほどつらいと思ったことはない。むしろ楽しいくらいだ。しかし主婦業は私にとって修業である。買い物をして家に帰って夕ご飯を作ろうとするが洗い物が流しにごちゃごちゃとある。それもそのはず朝、皿洗いせず出かけるからである。ああめんどくさ。ため息つきながら洗う。そして夕飯作り。昨日仕込んでおいた煮物があったな、ナイス昨日の私。夕飯を作って食べて、また皿を洗って、その後は洗濯機を回しながら、お風呂を洗う。洗濯機は全自動ではないので、洗濯物を室内に干す。乾いた洗濯物をたたむ気力なし、その場にまとめておこう。明日のために何か一品でもお料理作っておこう。お米も研いでおかなければ。汚い所だけ掃除機をかける。もはや夜中である。子供がいた頃は彼らの世話もあり、大変だった。そもそも床がいつもざらざらして砂っぽかった。奴らは砂を家の中に入れてくれる。夜中の2時過ぎに洗濯物をたたんでいるとほろほろとわけもなく涙が出てきた。この話をしたら共感してくれた人が意外にたくさんいた。皆、似たような経験をしてるんだなあ。あまりに忙しかった時、そうだ、家事に関する文献でも検索して読んでみようと思いたち、3冊買って読了。しかし家事の量が減ったわけではなかった。あたりまえか。本読んだだけだし。それでも、いくつか参考になることは書いてあった。では家政婦さんを雇ってみてはどうか?これがどうにも私にはできない。他人を家の中に入れて掃除や賄いをさせるなんてどう考えてもできないのである。「子育ては一日一日楽になるわよ」と先輩ママ友から言われたことがある。そんなの嘘だ、日に日に大変になるではないか、と当時は思った。子供達が独立してせいせいしたと思ったら、こっちは年をとったので、人間劣化した。仕事量は減っても相対的につらさは変わらない。ああ。

東京在住の友人宅に遊びに行った時の話である。そのお宅は週2回家政婦さんを雇っているといっていた。彼女は医師で、旦那様は今を時めくIT社長。そこでこの話、家政婦さんを雇えないという話をすると、「それはバカの壁だよ、八木澤さん」と言われた。つまりできないのではなく、できないと思い込んでいるだけだということらしい。その時一緒にその場に居たカップルから興味深い話を聞いた。彼らはインド在住、男性は弁護士、女性は医師、K大卒のハイスぺ夫婦。高所得者である。インドでは高所得者は家政婦さんを複数人雇わなければならない。庭師、運転手、調理師、掃除をする人、子守をする人。彼らを手伝おうとすると「私の仕事をとらないで」と怒られるそうである。カースト制であり生まれた時から職業が決まっており子供へ継がれる。職業選択の自由がないが失業もない。へー、そう。あなたも高所得者だろうから雇うのが当然、とよってたかって家政婦雇えって。しかし私はやはり赤の他人が自分の台所に入って何かされるのはどうにもいやである。お掃除ロボットのルンバも購入してみたもののWi-Fiがうまくいかず使いこなせていない。同居家族(夫)は何も要求してこないし、文句も言わない。これはこれでよし。忙しい時に話かけられると頭が痛くなってくるから。

以上は課題だらけの私の日常の話である。最後に文献検索していた時に出会った言葉をシェアしたい。「主婦業にも目的が存在する。それは家族にカンフォタブルな環境を提供することである」。掃除の目的は掃除、料理の目的は料理だと思っていた。目から鱗とはこのことだ。少し気が楽になった。人には向き不向きがある。だとすると私には主婦業は向かないと思う。今日も今日とて家事がつらい。

(令和7年10月号)

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