勝井 豊
お盆休みに小学校6年生と4年生の孫が、両親と一緒に東京から遊びに来た。幸いなことに咲花温泉の宿泊の予約がとれたので、磐越西線を利用して8月16日(土)の午後3時に新潟の自宅を出発して、夕方の5時に咲花温泉に着いた。ホテルは駅から徒歩で1分の場所で、内装は和風の落ち着いた感じであった。
翌朝の10時にホテルを出発して、上流にある観光船の乗り場までホテルのマイクロバスで送っていただいた。道の駅や物産館のすぐ近くに乗り場はあった。観光船は50人乗りのウォータージェット船で、私たち6名の他に2名の客がいた。先ず上流に向かい反転して下流に行き、再び乗り場に戻る40分間の遊覧であった。
録音装置による解説が流れて、阿賀野川の地理や流域の歴史、民謡の紹介などがあり、退屈することはなかった。約20年前に妻が英会話教室で習っていたカナダ人の若い女性と平日に訪れたときは、遊覧船はひと回り小さく、相客はいなくて貸切の状態で、船頭さんが解説をして民謡を披露してくれたそうである。また川辺には日本カモシカが遊覧船を見に来ていたり、猿の群れが見かけられたそうだが、この度は蝉の声が聞こえてくるだけだった。
帰りは乗り場からやや離れたところにある無人駅を利用したが、物産館で職員に道を尋ねたところ、ありがたいことに駅まで車で送ってくれた。磐越西線は単線でしかも電化しておらず、ハイブリッドのディゼルカーが2両連結でワンマン運転をしていた。途中の馬下駅では週末と連休のみ運行しているSLばんえつ物語とすれ違いになり、煙を吐いている蒸気機関車を間近にみるチャンスに恵まれた。孫たちにとっては、東京では体験できない思い出深い旅になったことと思う。
(令和7年10月号)