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新潟市医師会報より

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コーヒーの効用について

中村 和利

私はコーヒーをよく飲みます。コーヒーには苦味系と酸味系があると思うのですが、私は酸味系を好んでいただきます。お酒を飲まなくても生きていけそうな気がしますが、コーヒーを飲まずには生きていけそうにありません。ただ、コーヒーが体に良いのか悪いのかについてはあまり気にしたことはありませんでした。コーヒーはカフェインを含みますので健康によい飲料とは言えないようなイメージがありますが、本当のところどうなのでしょうか。

最近、コーヒーの生活習慣病予防効果が報告されています。国立がん研究センターの行っている日本人のコーヒー摂取と死亡率の研究によると、1日4杯くらいまでなら飲めば飲むほど死亡のリスクが下がっています1)。私たちが行っている村上コホート研究『新潟市医師会報2021年2月号』の結果も同じようで、男女共コーヒー摂取量が多いほど6年間の死亡のリスクが用量依存的に低下していました(図1)2)。コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸など)やカフェインが糖尿病や循環器疾患を予防しているようです。しかし体調のよくない人はコーヒーを飲まない傾向にあると思われるため、このような関連がみられたのかもしれません。因果関係はまだよくわからないのですが、コーヒーを飲み続けて身体に悪いことはなさそうです。

さらに、村上コホート研究のデータを用いてコーヒー摂取量と(要介護認定)認知症の発生との関連を調べました3)。そうしましたら、コーヒー摂取量が多いと用量依存的に認知症のリスクが下がるという結果が得られました(図2)。ポリフェノールやカフェインは認知機能低下予防の効果が動物実験などで示されていますので、コーヒーは認知症を予防する可能性があると思われます。しかし認知症になりやすい人はコーヒーを飲まないという可能性がありますし、コーヒーを飲む人が共通に持つコーヒー以外の要因が認知症予防に関わっている可能性も否定できません。こちらも因果関係はよくわからないのですが、コーヒーを飲み続けて認知機能に悪いことはなさそうです。

村上は北限の茶処でして、緑茶のよい効果が期待されるところです。村上コホート研究において、緑茶の高摂取は身体や認知機能に対して好ましい効果がありそうなのですが、コーヒーほど明確なエビデンスは得られていません。カフェイン含有量などから見ると緑茶はコーヒーより薄いからなのかもしれません。

何はともあれ、コホート研究のおかげでこれまでと同じかそれ以上にコーヒーをおいしく飲むことができそうです。

参考文献

1)Saito E, et al: Association of coffee intake with total and cause-specific mortality in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study. Am J Clin Nutr, 101: 1029-1037, 2015.

2)麻沼優紀, 荒井尚哉:コーヒー・緑茶摂取と死亡のリスク:村上コホート研究. 新潟医学会雑誌, 133: 339-347, 2019.

3)Matsushita N, Nakanishi Y, et al: Association of coffee, green tea, and caffeine with the risk of dementia in older Japanese people. J Am Geriatr Soc, 69: 3529-3544, 2021.

図1 村上コホート6年観察におけるコーヒー摂取量と死亡率

図2 村上コホート8年観察におけるコーヒー摂取量と認知症罹患率

(令和4年5月号)

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