阿部 行宏
最近DXなる言葉があふれています。疑問に思っておりちょっとまとめてみました。
DXとは、正式にはDigital Transformation|デジタルトランスフォーメーションというらしいです。意訳すると「デジタル革命」という意味です。デジタル技術を浸透させ、より良い生活へ変革することを指しています。革新ではなく革命ですので大きな変化があることを意味しています。
2004年にスウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授により提唱された概念で「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というものでした。
何であれ生活が快適になるものを指しているようですので、今やほぼ誰もが持っているスマートフォンもDXの一つなのでしょう。インターネットへの接続が常にできるようになりました。コンテンツとしてはアマゾンもその一つなのでしょう。なんでもいつでもすぐに買い物ができます。価格比較もできるし自宅まで配送もしてくれます。
DXに至るまでにはプロセスが必要です。デジタイゼーション→デジタライゼーション→DXとなります。デジデジ言っているので何が何だか分かりにくいですよね。
例を挙げてみましょう。電子カルテ導入はデジタル化の中の最初の一歩になるかと思います。アナログデータであったものをデジタル化しているというレベルですね。これをデジタイゼーションといいます。さらにデジタル化された情報をうまく利用していく、例えば説明文などをデジタル化し保存しておき誰でもどこでも引き出せるようにして置き、変更があればすぐに差しなおしができるというものがデジタライゼーションといいます。デジタル情報の有効利用ですね。
さらにDXですが新たな価値が加わらないとDXとは言えないのですが、今回義務化されたオンライン資格確認の導入は一つのDXとしてもよさそうです。
患者側にとっては何種類もの保険証管理がいらなくなります。医療機関側も有効期限切れの保険証間違いもなくなります。保険証確認して登録する作業も減ることでしょう。さらには今後患者の情報が集約され、地域における地域医療再編においてもより有効性のある編成を検討しやすくなる可能性もあります。
今回、オンライン資格確認の義務化に関して様々な意見があるかと思いますが、今後のデジタル化の流れは世界的に進んでおり、この流れに逆らうことは難しいと考えます。少子高齢社会となり支える側が少なくなる中、より効率よく医療提供を行っていく必要性があります。
ぜひ今回の義務化を機に電子カルテを導入されていない先生方におかれましては導入をご検討いただければと思います。また導入されている先生におかれましてはさらに地域での情報共有ツールであるSWANネットの導入もご検討いただき、自院のみならず地域との連携もデジタル化することをご検討いただければ幸いです。
そしてデジタル化して色々使ってみてください。使うことで良さがわかり、さらなるデジタル化も進むと思います。
(令和4年11月号)