細野 浩之
昭和51年2月に検診施設が整ったメジカルセンターが開設されて、四十数年がたち、その役割も大きく変わってきました。メジカルセンター縮小化の議論がなされ、昨年度から本年度にかけ一部縮小化されてきました。
段階的に実業務縮小がなされますが、今年度、大きく変わり実施されたことが、人間ドックの外部検診施設への委託です。会員の皆様に、長きにわたって受けていただいていた人間ドックをメジカルセンターで受けられなくなり申し訳なく感じています。和気あいあいと雑談しながらのんびりドックを受け、不味いバリウムを飲んだ後は、温かいお茶を入れていただき、美味しい寿司をゆっくり食べる。ほっこりムードがあったと思います。メジカルセンターの職員側でも、毎年受診していただいた先生方にお会いできなくなり、寂しく感じ、検査を担当できなくなり申し訳ない気持ちでおりました。しかしながら、現実問題として、検診担当医師を確保できず、また最新検査機器を入れることができず。胃カメラによる胃がん検診もできない。マンモグラフィによる乳がん検診もできない。また、スタッフの側としても、エコーなどの検査で検証が十分できないなど。満足のいく検診内容を提供することができなくなりました。メジカルセンターとしては、不十分なドックの提供を継続するより外部に委託する方が良いと判断しました。今まで、人間ドックを外部検診機関で受けていただいた先生方の状況を参考に、外部検診機関と協議を重ね、今までのドック内容や、午後からのドック受診も可能とする利便性は確保したうえで、胃カメラの選択やマンモグラフィ検査も可能とし、各種オプション検査も豊富に受けられるようにしました。安心感や満足感も得ていただけたのではないかと思います。ドックの外部委託で困った点やお気づきの点などございましたらば、メジカルセンター職員や当方にご一報ください。来年度の実施の際に参考にさせていただきます。
今年度のメジカルセンターとしてはⅰ)医療機関向け従業員検診を外部検診機関に委託、協力への検討、ⅱ)胃がん検診車稼働停止と検診車処分の検討、ⅲ)新潟市集団検診時の胃がん・肺がんセット検診の中止、ⅳ)学校心臓検診時の検査項目変更、を検討しています。検査機器老朽化に伴い、更新の中止を基準として、各種検診事業の現場実務の縮小、スリム化を行っていく予定です。それに対応して、メジカルセンターにしかできない検診の精度管理の役割を充実させていく方針です。
精度管理は一検診施設ではできず、検診施設全体として行っていかなければならず、医師会のメジカルセンターが中心となり、各種がん検診の委員会設置と委員会の招集、委員会検討のためのデータづくり、各種研修会、検討会の実施を積極的に行っていきたいと考えます。コロナ禍で行えていなかった、各種がん検討委員会、検討会、研究会をZoomではなく、対面の検討会をより多く開いていく方針です。
検診を担って頂いている会員の皆様とともに、メジカルセンターが中心となって検診の精度を上げ、より良い市民検診を提供していけるようにしていきたいと考えます。
(令和5年3月号)