八木澤 久美子
2020年7月から、新潟市医師会は浦野会長、岡田・大滝副会長の体制で始まりました。私は浦野先生からお声掛けいただき、理事として参加させていただきました。時を同じくして新型コロナウイルス感染が拡大、浦野先生はおやりになりたいこともたくさんあったかと思いますが、とにかく毎日コロナ対応に追われていた日々と思います。この三人の先生方の起動の速さ、リーダーシップの力強さは皆さまの知るところで、この先生方がいらっしゃったからこそコロナ対応がスムーズに行えたのではないかと思います。私も内科医の端くれ、微力ではありましたが頑張りました。発熱外来、自院と接種会場でのワクチン接種、ホテル療養自宅療養の主治医などで普段の診療に加えて感染患者さんを診させていただきました。診療が終わってから保健所の報告もあり、連日夜遅くまで事務作業をしました。一体いつ終わるのだろう、仕事量は増えるばかり、うつうつとした日が続きました。そんな嵐のような日々が過ぎさって結果をみてみると新潟県は人口10万人あたりの死者数が全国で最低(21.18人)でした。これは素晴らしいことです。このような新興感染症はくりかえし興ります。これまでの医学の歴史を見ればわかります。また100年後に同じようなことがおこるでしょう。その時に未来のドクターに向けて記録を残すべきだと考えました。記録に残しておけばどなたかが必ず見て参考にしてくれるに違いない。そう考えたのです。そしてこのアイデアを副会長の岡田先生、会長の浦野先生にお話ししました。「そうですね、やりましょう。」そこから新潟市の新型コロナ感染対応まとめを作る企画が始まりました。執筆依頼は20余名の先生方、2023年10月に依頼文を発信、年内に原稿収集。細かい執筆方法を提示しなかったためか文章はそれぞれまとまりのない印象を受けました。しかし先生方の熱い思いが伝わってきました。皆さん大変ご苦労し、工夫されて乗り越えてこられたのだな、と胸が熱くなりました。新潟市医師会報2024年3月号に載せる予定で、最終の編集会議は2月、その前に読み合わせや手直しを3回行いました。少しでも読みやすくわかりやすくしたいと考え執筆者に直接お会いし、直していただいたこともありました。いよいよ編集会議、編集委員の先生方に細かく確認をしていただきました。その日会議が終了したのは夜10時を過ぎていました。かくして新型コロナ感染対応のまとめができあがりました。既に先生方のお手元に届いています。医師会報3月号の中のあります。これでうつうつとしていた私の心が浄化されました。
さてコロナウイルスが消えうせたわけではありませんが、嵐のような戦いの日々はひとまず終わりました。最近の話題は、診療報酬診改定に伴い、長年慣れ親しんだ特定疾患療養管理料から糖尿病、脂質異常症、高血圧症が除外されたこと、電子処方箋の件、複雑怪奇な加算が増えてきたこと、でしょうか。私には衰えゆく脳の脳トレとしか思えない日々です。
さて、この7月から岡田会長、大滝・山本副会長の下、新体制の医師会が始まりました。
よりよい医師会となりますよう役員職員一同頑張ってまいります。会員の先生方におかれましては何卒ご指導賜りたく引き続きよろしくお願いいたします。
(令和6年7月号)