猫山宮尾病院内科 太田 玉紀
1985年に医療機器メーカーによる造語として誕生したと言われているメディカルフィットネス(以下MF)ですが、1988年に旧厚生省が運動型健康増進施設の認定を始めたことから、国内にも緩やかな普及が見られています。
かつてMFは、医療法第42条施設のように医療機関が運営して医学的要素を取り入れていることが必要条件のように扱われていました。2014年になり日本メディカルフィットネス研究会がMFを「有疾患か健康かを問わず、すべての人が健幸華齢(successful aging)の実現に向けて取り組む体力つくり」*と定義し、利用者の立場を重要視するようになりました。
生活習慣病の予防や対策には、食事や運動をはじめとする生活習慣の改善が大切であることは申すまでもありませんが、運動に取り組めないまま経過している患者さんがいらっしゃるのが現状です。筆者の外来でも「病気の治療のため、自分がどんな運動をしたらよいか教えてほしい」とおっしゃる患者さんが増えているように感じます。
体力向上やストレス発散のための運動ならば場所に関わらず楽しんでいただけますが、疾病対策の運動療法についてはMFで実践されることをおすすめしています。わが国には、MFと必ずしも同義ではありませんが、厚生労働省が認める運動療法施設(冒頭でふれた運動型健康増進施設のうち指定を受けたもの)が存在しています。この指定運動療法施設で運動を実践すると、その施設利用料が医療費控除の対象となり、患者さんの負担軽減にもつながるのが利点です。
2015年4月16日現在、運動型健康増進施設は全国で331施設、そのうち186施設が指定運動療法施設です。新潟県内で指定されているのは2施設のみで、新潟市内に唯一あるのが猫山宮尾病院に併設された医療法第42条施設“メディカルフィットネスCUORE”です。先生方も、ご自身の体力づくりや若さの維持、ゴルフのパフォーマンス向上などを目指して、MFで汗ばみ、爽快感を味わってみられるのはいかがでしょうか。
*参考図書:メディカルフィットネスQ&A 田中喜代次,太田玉紀,新庄信英監修,日本メディカルフィットネス研究会編集,社会保険研究所,東京,2014.
メディカルフィットネスCUORE
新潟市中央区湖南14-7
TEL:025-282-2370
E-mail:fitness@nekoyama.or.jp
URL:http://fitness-cuore.jp/
(平成27年6月号)