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新潟市医師会報より

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「人生の最終段階における医療」についての雑感

下越病院 末武 修史

早いもので医師になり20年を越えた、まさに「光陰矢の如し」という思いである。最近の外来・入院ともに80歳を過ぎている患者様が以前よりも圧倒的に多い、という実感を持っているのは自分だけではないだろう。昨年より何回か講演させて頂いた時の資料に、「国勢調査」および「日本の将来推計人口」の資料がある。日本は2008年をピークに人口減少社会に突入したが、高齢者は実数・割合ともに増え続けており、まさに実感した通りである。目の前の患者様を診療している中で、さすがに50年後の患者層のことまでは考えていない。それは国としての日本政府の役目と思われる。しかしながら、せめて10年後ぐらいのことは医師として考えて行動したい。

10年後でなく、今から約20年後、2035年はどうなっているのだろう。

先述したように、2015年は人口が減少し1億909万人になるそうだ。一方、高齢者は増え、65歳以上は全人口の33.4%(3人に1人、しかも小生もそうだ…)、特に75歳以上は20.0%(5人に1人!)になると試算されている。このことは疾病構造も変化して慢性疾患が中心となり、要介護者の大幅な増加も意味する。また当たり前だが、死んでいくものも多く、今まで以上の「多死社会」になる見通しもある。新潟はどうだろうか、今後の人口動態は4つのパターンに分けられるというが、新潟市内は「人口規模を維持し高齢化も緩やかな増加するパターン」と予想されており、また県内地方都市は「人口が減って急速に高齢化が進むパターン」であることが予想され、地方消滅もありうるだろう。

医療費は現在12年連続で過去最高額を更新しているが、2025年には54兆円に膨らむと見込んでいるらしい(その先は試算できないらしい)。膨らみ続ける医療費に税金を潤沢につぎ込めるわけもなく、国として財政破綻も招きかねない。

現場では必要な医療サービスの量的・質的な需要は増大・多様化し、それに供給すべき医療人材の確保も不可欠となる。2025年には2011年時に比べ高度急性期医療を担う職員を2倍程度増員し、一般急性期についても6倍ほど必要とされているが、実際にこれだけのマンパワーを確保することは難しいだろう。

このような厳しい現実が待ち受けているが、課題克服に向けて厚生労働大臣の私的懇談会がまとめた提言書「保険医療2035」がある。これは先述の急激な少子高齢化や医療技術の進歩など医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、国民の健康増進、保健医療システムの持続可能性の確保などを目的に、2035年を見据えた保健医療政策のビジョンとその道筋を示している。そのためのキーワードの一つに「Choosing Wisely:賢い選択」がある。これは日本だけでなく世界各国で広がっている「過剰な医療」を適正化しようとするものである。新薬や新治療法のプロモーションに転用されるEBMという概念、高齢者の多剤服用、人間ドックで行われる保険外の過剰な検査などは、このままで良いのだろうか? 海外のChoosing Wiselyサイトには400もの不要な検査・治療が紹介され、また日本版のChoosing Wisely in Japanでも納得のいく内容が提唱されている。無症候性成人に腫瘍マーカー検査を推奨することは如何なものか、無症候性成人に脳神経疾患スクリーニングとして頭部MRI検査を行うものは如何なものか…。Choosing Wiselyの考えは今後多くの各医学会に波及していくものと思われるが、我々も実際の臨床の場で考えていかなければならないだろう。

(平成28年3月号)

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