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新潟市医師会報より

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オバマ大統領の広島来訪

医療法人誠信会椿田病院 病院長 椿田 政信

私は広島出身です。あまり人様には申し上げませんでしたが、被爆者の一人です。ですから、今春のオバマ米国大統領の広島来訪は、私にとっても一大ニュースでした。人生の一つの潮目になる予感がしました。もちろんテレビ中継を見ました。

平和記念塔に向かって歩む長身の大統領の姿、普段は笑顔とその時に見せる白い歯が印象的な大統領の厳粛な表情、周囲の物音一つない静かな佇まい、大統領を迎える周囲の緊張感と沿道にあって優しい気遣いをみせる広島市民、それらに強く感銘を受けました。そして、戦後71年間の私自身の追憶も重なって感慨ひとしおでした。

あの日、私は爆心地から約4㎞の三菱重工の江波工場にいました。

私は旧制中学(野球とラグビーで名をはせた崇徳中学、広島市郊外所在)3年生で、学徒動員の勤労中でした。

私はいきなり爆風で吹き飛ばされ、気づいたときは上半身裸でした。怪我はしましたが、幸い命は無事でした。着ていた上着が吹き飛ばされたのです。工場のスレートの屋根も全部吹き飛んでいました。死んだ学徒もいました。

私達生き残った学徒は、集まって歩き始め、市中心部を迂回しながら帰校しました。市中心部は焼け野原でひとっ子一人いないように見えましたが、あちこちに横たわる人や死者も否応なく目に入りました。その途中で、爆発後そんなに時間を経ない間に、黒い土砂交じりの雨を浴びました。後で放射能雨と知りました。

戦後、私は広島の体験が梃子となったと思いますが、神戸医科大学に進学し医者となりました。そして、縁あって、同郷の同じ体験をもつ妻と新潟の地に参り、開業し、地域医療、福祉に貢献することができました。苦労の連続でしたが幸せが上回ったと申せましょう。放射能雨もその後大した影響もなく、原爆症にもなりませんでした。

被爆は、あたかも人生の原点であったと申せましょう。あの時代を生きた日本人であれば苦労の先の幸せは、それがどんなに小さくともいとおしく感じます。

オバマ大統領の広島来訪は、私にとっても、これからの何かに向けた新たな原点になった気がしてなりません。

(平成28年10月号)

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