和田 倫之助
富山といえば鱒寿しで有名ですが、お店としては駅や空港、高速のSAなどに置いてある○○屋や△のイメージが強いと思います。実際には40軒近い鱒寿し屋さんが存在し、それぞれお店によって米の炊き方、硬さ、酢の量や、鱒の厚さや生な感じなど、味も違い、食べる人によって好みの店も異なります。富山の人は、自分好みのお店をもっていて、そこで買って食べるのが一般的のようです。
私も新潟へ戻ってくる前、10数年間富山でお世話になっていたこともあり、富山生活の終りの頃に自分好みのお店にたどり着くことが出来ました。今回はそのお店、”紀雅さん”を紹介したいと思います。場所は富山市の大和の近くの中心部にある小さなお店です。このお店の鱒寿しの特徴は、鱒がとにかく脂がのっていて、生な感じが強いということです。ご飯の酢の量も比較的少なめで、脂ののった分厚い鱒がたっぷり上にのっていて、一度食べるとはまる方はかなりはまると思います。私もそのうちの一人であります。
値段は、1段が1,500円、2段が3,000円で、天然の桜鱒を使用した特撰3,000円もありますが、通常のもので十分おいしくいただけます。AM7:00~PM3:00までの営業ですが、全て手作りでその日に売る分しか作っていないため、繁忙期などはお昼頃には全て売り切れている場合もあるので、前日か前々日に電話で予約しておくとよいでしょう。賞味期限も短くお店に買いに行くと、当日の夜から翌日いっぱいのうちに食べるように言われますが、個人的には当日の夜食べるのが一番脂がのっていて好みです(少し酢でしまった感じが好みの方は、翌日いただく方がいいでしょう)。今まで食べた鱒寿しで、”鱒がパサパサしている。””鱒が薄い”などとお思いの方には、特にお勧めだと思います。富山方面へ行かれた際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。鱒寿しは奥が深く、これはあくまで個人的な好みでもありますので、何軒もある鱒寿し屋さんの中から自分好みのお店を探してみるのもよいかもしれません。