新潟市医師会

新潟市医師会報より

アクアプラザ都屋

高橋美徳

今回紹介する都屋は、その昔古町通にあった私の大好きだったレストランではなく、アクアリストのためのプロショップです。微かな記憶ですが、半世紀ほど前に東映ホテル近くにあった熱帯魚店が火事になってしまい、その後女池インター近くへ移転したのではなかったかと思います。25年前に初めて訪れ、しばらくは足繁く通ったものでした。ご無沙汰をしておりましたが、「天野尚展自然を愛するすべての人へ。」の観覧をきっかけに、この都屋も無くなってしまっているなんてことがなければよいがと思いながら出かけてみました。

エントランス通路には大型水槽と池用品が並び、店内の様子に期待が膨らみます。自動ドアが開くと、中央には見事に管理された眩いネイチャーアクアリウムが圧倒的迫力で配置され、次に何が出てくるのかと高揚します。向かって右手は観賞魚と水草の販売コーナーで、濾過が行き届いた輝く水と元気な観賞魚達が目白押しに並んでいます。水草のメンテナンスも素晴らしく、こんなにできたら最高だと思える体で陳列されています。居並ぶ水槽群の終わりには、老衰で動けなくなった巨大魚の照明を絞った水槽もあり（彼は売り物ではありません）、ペットを飼育する者の心がけも示してもらえます。

選びぬかれた品揃えで、対面販売ならではのやり取りで育成情報が得られる、必要かつ十分なものがギュッと凝縮されているお店です。水族館に行かなくても、僅かな時間でも、初心者でも、家族連れでも楽しめる空間づくりになっています。スタッフは豊富な知識と経験を惜しげもなく教えて下さいます。デジタル大辞泉によれば、「都」には何かを特徴としたり、何かが盛んに行われることで人が集まったりする都会、という意味もあるそうです。

身近なお店で、美しい観賞魚の舞を見て非日常を楽しみ、気に入ったら何かお土産を買って帰ってくる感覚で立ち寄ってみてはいかがでしょう。