新潟市医師会報より

カヌレ ド キャンティ

熊谷 敬一

2010年代に第2次カヌレブームが起きた。それが今も続いており、単なる一時的なブームではなく完全に人気が定着したといっていいだろう。以前よりもミニサイズでバリエーションが豊富なフレーバーを楽しめるのが特徴である。そのようなカヌレの専門店が新潟にある。カヌレ ド キャンティである。ミシュランガイドに掲載された新潟駅前にあるイタリアンレストラン アトリエキャンティーを母体として、2021年春に現在の場所に独立した。

店内には季節のフレーバー2種類を含めて全部で18種類のフレーバーのカヌレが取り揃えられている。店長さんのお話では人気のフレーバーは塩キャラメル、プレーン、ココアとのことである。カヌレの表面は固すぎず、内部の生地も力まずに噛むことができるソフトな弾力のある食感である。プレーンはほのかな苦みが感じられる。焼け目からくる自然の苦みと思われる。また、店長さんおすすめのフレーバーは西京味噌で、みたらしのような風味である。私の好みは、ラムレーズン、カフェ、ココアである。ラムレーズンは文字通りラム酒の香りが印象的である。抹茶は茶の香りが強く長く続く感じである。ココナッツとゴマとバナナはトップではなくボトムにトッピングがしてある。どのフレーバーも個性的で魅力的である。

カヌレ ド キャンティのカヌレは県外でも人気があり、東京では日本橋と渋谷に店舗がある。また、オンラインストアにより全国のどこからでも購入できる。私の家族は県外の知人にギフトとして送ったり、県外に住む家族が帰省の際に土産に買っていったりしている。このような専門店が地元にある新潟の人は幸運であるといえる。

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