勝井 豊
三島郡出雲崎町は、新潟市の西60キロメートル程にあり、旧北国街道をはさんだ約4キロメートルに渡る妻入りの家並みは、日本一の長さを誇っています。そのほぼ中心部にある老舗の割烹旅館「みよや」を紹介させていただきます。
創業は江戸時代に遡り、現在の越後線出雲崎駅の近くで旅館と車屋を営んでいましたが、明治の初期に海岸部に分店を出したものが、現在の「みよや」になっています。冠婚葬祭や賓客の接待に欠かせない老舗で、木造2階建て、瓦葺き、切妻屋根の伝統的な構造は、この地域の典型的な建築様式を踏まえています。着色した漆喰を用いて、鏝で壁に絵を描いた「鏝絵の間」は登録有形文化財に指定されています。
出雲崎漁港までは目と鼻の先で、水揚げされたばかりの新鮮な魚介や地元の旬の山野菜を利用して、あまり手を加えずに素材本来の味を引き出した料理が堪能できます。刺身やあら汁、たらこの煮付けなど素朴な味わいを楽しむことができて、特にご飯がとても美味です。一階には大広間があり、二階には客室が5室あり、海に面した部屋からは日本海が一望できて、佐渡に沈む夕日は感動的です。
江戸時代には代官所があり、佐渡金山で産出した金を江戸まで運んだ「御金の道」の本州側の起点で、「天領の里」にはそれらに関連した様々な展示物があります。また良寛の誕生の地であり、良寛堂や良寛記念館、良寛逸話館などを巡るための拠点としても「みよや」は重宝です。宿泊客の多くは県外からだそうで、宿泊をご希望の際は早めの予約をおすすめします。
みよや
住所 | 新潟県三島郡出雲崎町大字羽黒町101番地1 |
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TEL | 0258-78-3181 |
営業時間 | 11時30分から22時まで 完全予約制 |
定休日 | 不定休 |
ホームページ | https://www.miyoya.jp |