白根緑ヶ丘病院 院長
佐野 英孝
白根緑ヶ丘病院の院長の佐野英孝です。当院につきまして御紹介させていただきたいと思います。当院は新潟市の南区にあり単科の精神科病院で開院して60年になります。5つの病棟があり275床のベッドを有します。常勤医は6名で全員が精神保健指定医です。併設で介護老人保健施設 常盤園があり、こちらは145床のベッドを有し2名の常勤医が勤務しています。
当院は認知症の外来、入院診療に力を入れており新潟市認知症疾患医療センターに指定され、地域包括支援センターあじかたを併設しています。近隣のクリニック、病院からの認知症の患者さんを御紹介いただき外来で鑑別診断のための検査を行ったり、必要であれば入院での検査、治療を行っています。認知症の方の病棟は第2病棟(56床)、第3病棟(59床)があり合計115床あります。他施設での認知症の周辺症状(幻覚、妄想、興奮、徘徊)で対応困難な方の入院治療も積極的に行っております。薬物治療で改善がみられれば元の施設にまた戻っていただいています。
当院の検査部ではCT装置、1.5テスラのMRI装置の画像診断機器を有し認知症の診断のために役立てています。認知症初期集中支援チームもあり、近隣で在宅で過ごしているが病院への受診が困難で認知症の診断、受診になかなか結び付かない方等に対して支援を行っています。南区の地域包括支援センターの方々、当院チーム職員(医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士等)で患者さんの御自宅を訪問して御本人、御家族に生活状況、認知症の症状を聞いたり外来受診・治療に結びつけるように活動しています。毎月1回の会議を定期的に行いカンファレンスを行っています。
第1病棟は急性期対応病棟(40床)、第6病棟は亜急性期病棟(60床)、第5病棟は慢性期病棟(60床)と病態に合わせて分かれております。第1病棟は40床のうち20床が個室で、そのうちの6床がストレスケア病床となっています。ストレスケア病床はストレスケアユニットという専用のエリアにありトイレ・シャワー付きの広めの個室でプライバシーにも配慮され、十分休息がとれるように配慮され、うつ病、神経症で利用される方々が多くおられます。当院では身体合併症の対応にも力を入れており、超音波診断装置、人工呼吸器、AED等の機器を備えております。肺炎、肝胆道疾患、尿閉、腸閉塞等の診断・治療に役立てています。中心静脈からのカテーテル挿入も常時可能で高カロリー輸液が必要なケースにも対応しています。当院に入院中の身体合併症(整形外科、脳神経外科、呼吸器科、消化器科、外科関連等)の患者さんにつきましては近隣の病院の先生方にいつも快くお引き受けいただき大変お世話になっております。近隣の病院の先生方の病院で認知症の患者さんで対応困難な場合は迅速に当院に入院していただくように対応しております。
認知症の患者さんは現在全国で約720万人おられるそうです。いまから約35年後の2060年には、認知症の患者さんは1,000万人に増え、日本の人口は1億人(2026年現在で約1億2,200万人)を切ると予測されています。少子高齢化が今後さらに加速していく世の中で、この先のことはわからないことも多いですが、心の病気で困られている患者さん、御家族のために日々精一杯診療を続けていきたいと考えております。認知症の患者さん、他の精神科患者さんでお困りの方がおられましたらば御連絡・御紹介いただけましたらば幸いです。

(令和8年5月号)