新潟市医師会 会長 藤田 一隆
去る3月30日の臨時代議員会において3期目の会長職に選出いただきました。代議員の先生方に心より御礼を申し上げます。今回、旧執行部役員18名のうち、山添 優理事、古泉直也理事が退任され、新たに新潟市民病院の小田弘隆先生、県立がんセンター新潟病院の竹之内辰也先生が理事に就任されました。また、長年代議員会議長を務めてこられました今井昭雄先生が退任され、新しく新田幸壽先生が就任されました。このたび退任されました山添理事、古泉理事、今井議長に心より感謝を申し上げますとともに、今後も変わらぬご指導をお願いいたします。
さて、私は2年前の会長就任時に、3つの目標「強い医師会づくり」、「個の充実」、「新潟市医師会からの発信」を掲げました。①「強い医師会づくり」の一環として、B・C会員、D会員(研修医)の入会促進に努めた結果、目標の1,600名越えを果たすことができました。総務部、広報部、学術部、病院・勤務医部が一丸となって会務に取り組んだ結果です。ご協力いただきました関係病院の先生方に感謝申し上げます。②「個の充実」を目指して、各人が力を発揮できるよう部の改編を行いました。「医政・調査部」を「医療安全部」に、「福祉部」を「福利厚生部」に名称変更し、業務内容を変更しました。また、仕事量が増加した「地域医療部」を「地域福祉部」と「在宅医療部」に分割することにより、業務量の均等化を図りました。すべての役員が個々の力を存分に発揮した2年間であったと思います。③「新潟市医師会からの発信」の手段として、会報やホームページの充実に努めました。会報送付先を増やすことにより、未入会の先生方への情報提供の機会を増やしました。新潟市に対しては、常に“顔のみえる関係”を維持し、協議を重ねながら、当会の意向を伝えました。また、県医師会に倣い、報道関係者との懇親会も開催いたしました。政治活動については医師連盟の役割となりますが、国政選挙にも積極的に関与し、新潟市議会議員とも交流の場を設け、当会の考えを丁寧に説明しました。内視鏡を用いた胃がん検診や在宅医療推進室を中心とする地域医療・介護連携システムは、全国的にも注目されており、他県から多くの関係者が視察に訪れました。この2年間で概ね当初の目標は達成できたものと考えております。
この度、会長3期目を迎えるに当たって、「原点回帰」をスローガンに掲げることにいたしました。何時(何処)まで遡るかは人それぞれです。医師を志した時、医学部入学の時、研修を始めた時、最初に学会発表した時、病院に赴任した時、開業した時、等々。私自身は、規範とすべき原点として、『日本医師会綱領』(日本医師会の原点)、『新潟市医師会定款』(当会の原点)、『医の倫理綱領』(医師の原点)の3つを挙げたいと思います。
当会理事会室には『日本医師会綱領』を掲げております。迷った時の道標とするためです。国民との約束として掲げる、国民の生活支援、安全・安心な医療提供体制の構築、医学・医療の発展と質の向上、国民皆保険制度の堅持の4つを指針として、会務を運営してゆきたいと考えております。
平成25年4月1日、一般社団法人として再出発した際に策定された『新潟市医師会定款』は、法人としての“憲法”に当たるものであり、全会員が遵守すべき原点であります。執行部は、当会活動の基本である定款を忠実に守りつつ、必要に応じて変更してゆく責務を負っているものと考えます。現在、当会代議員数の見直しを検討中です。理事会で意見の集約を図った後、最高議決機関である代議員会でのご検討をお願いしたいと存じます。
『医の倫理綱領』は胸に沁みます。特に、序文と3番目の文言は、いつしか忘れ去っていた開業当時の気持ちを思い起こさせるものであり、“かかりつけ医”の原点を示していると思います。
新執行部役員、事務局員がそれぞれの“原点”を見つめなおし、議論を重ねながら、同じ方向を目指してゆけたらと願っております。向後2年間、会員の先生方のご支援・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
(平成30年7月号)