社会医療法人新潟勤労者医療協会 下越病院 院長 山川 良一
当院は昭和51年(1976年)に秋葉区(旧新津市)に開設されました。私は五十嵐 修前院長の後任として昨年4月に第5代院長に就任いたしました。当院の前身となりました新津診療所は昭和28年(1953年)に地域の住民がお金を出し合って開設されました。当時の新津地区には虫垂炎の患者さんを手術できる医療機関がなく、次第に患者さんが増えるなかで、外科を開設して病院にしようという運動がおこったとのことで、昭和51年(1976年)に80床の下越病院が建設されました。
昭和54年(1979年)に五十嵐先生と私を含めて3人の同級生が就職して104床に増床しました。昭和58年(1983年)には189床に増床して、平成8年(1996年)に当時の新津市の災害拠点病院となりました。平成10年(1998年)に2kmほど離れたところに老人保健施設を建設しました。平成15年(2003年)に290床として、DMATチームを編成しました。
平成24年(2012年)に病院が老朽化しましたので、現在の土地に新築移転しました。この時の病院移転の認可要件として病床の10%減というルールがありまして、261床にしました。病棟は4床のハイケアユニット、4つの急性期病棟、1つの回復期リハビリ病棟、1つの障害者病棟という構成でした。このとき、病院の敷地内にヘリポートを造成しましたが、毎年6件前後の利用状況です。平成28年(2016年)には4つの急性期病棟のうちの1つを地域包括ケア病棟に転換しました。また、平成25年(2013年)には病院に併設する形で120床の特別養護老人ホームが開設されました。2017年度の救急車の受け入れは1,698件で、およそ65%が時間外となっております。
当院は新潟勤労者医療協会に属しておりまして、正職、非正職あわせて約600人の職員が勤務しております。このほかに6つの診療所、2つの老人保健施設、3つの訪問看護ステーション等があります。また別法人にはなりますが、3つの特養、ケアハウス、ディサービス、ヘルパーステーションなどがあります。
当院の特徴としましては、差額ベッドを持たず、無料・低額診療制度をもっております。当院は社会医療法人でありまして、経営的には楽ではありませんが、経済的に恵まれない方々の医療を受ける権利を尊重したいとの思いから、このような制度を維持しております。
院内では日々さまざまな問題が発生しておりますが、これをなるべく早く察知して問題がこじれる前に適切に対応することは院長の重要な仕事と考えております。当院の院長室は医局スペースの中にありますが、院長室のドアは常に開けておき、職員が入りやすいようにしました。また、電子カルテのメールシステムの中に「院長に報告」というタブを作りまして、簡単に院長に院内メールを送ることができるようにしました。昨年の4月から運用を開始しましたが、これまでに53件のメールが私のもとに届いております。
私たちは微力ではございますが、皆様と協力して医療機関としての責務を果たしてまいりたいと存じますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
(平成31年2月号)