新潟医療福祉大学 学長 西澤 正豊
2020年4月1日付けで、山本正治先生の後任として新潟医療福祉大学の第3代学長を拝命しました西澤正豊と申します。どうぞ宜しくお願い致します。本学に参りますまでは脳神経内科医でありまして、2016年3月に新潟大学脳研究所神経内科学分野を定年退職した後、新潟市西区で認知症に対する地域包括ケア体制整備のお手伝いをしてきました。今後の本学の抱負をお示しするようご依頼を受けましたので、貴重な紙面をお借りしてご紹介させていただきます。
本学は、優れたQOLサポーターの育成、地域貢献、国際貢献という3つの目標を掲げて、2001年に創立された新しい大学です。2001年に2学部5学科、入学生321名でスタートし、2020年度は6学部13学科で学部学生1,152名と大学院生53名を迎え、学生総数は4,578名になります。
わが国は未曾有の少子・超高齢社会に直面していますが、その中でも健康の維持・増進、健康寿命の延伸に取り組まねばなりません。本学はこのために欠くことができない保健・医療・福祉・スポーツという分野に特化して、クライアントのQOLを最大限に高めることができる多職種の優れた専門職を育成することを目指し、アルビレックス新潟のサポーターに倣って、「優れたQOLサポーターの育成」というスローガンを掲げています。このため、創立当初より学科の枠を超えた連携教育を重視し、新潟市北区島見町の一つのキャンパスで、文字通り「ワンチーム」として活動してきました。
大学の社会的評価の一つは、大学がどのような人材を育成し、卒業生が社会に出てどのように活躍するかによって決まります。本学はこれまでに約1万人の卒業生を送り出してきましたが、多職種の「QOLサポーター」として皆様のご期待に沿った活動ができていますでしょうか。卒業生と大学との結びつきを一層強化して、卒業後も引き続き大学が卒業生をしっかりとサポートしていくことができる体制を速やかに整えて参ります。
また、新潟市を始めとする地域社会への貢献も、さらに深化させて参ります。これまでも学生や教職員が地域に出て、さまざまな活動を行っていますが、今後は大学全体として、より総合的な地域貢献活動に取り組んで参ります。特に地元の新潟市北区とは包括連携協定を締結しておりますので、協働して地域づくりに貢献したいと考えております。
2015年に国連サミットは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を公表し、2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)として17の目標を示しました。本学も2030年に向けてSDGsに対応することを目標として、具体的な取り組みを始めています。本学が強みとする「すべての人に健康と福祉を」だけでなく、社会の公共財である大学の使命として、このSDGsの達成に協力して参ります。
新型コロナウイルス感染症が蔓延する最中に学長に就任致しましたので、これまでは危機管理に追われて参りましたが、落ち着きを取り戻しましたら、本来の大学業務に邁進し、今後も地域貢献、国際貢献に努めながら、保健・医療・福祉・スポーツの分野で「優れたQOLサポーター」を育成して参ります。新潟市医師会の皆様には、これからも何卒宜しくご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶に代えさせていただきます。
(令和2年8月号)