新潟薬科大学 学長 下條 文武
私は、昨年11月25日付で新潟薬科大学の学長に就任しましたのでご挨拶をさせていただきます。
新潟大学在職中は新潟市医師会の皆様には大変お世話になりましたことに改めてお礼を申し上げます。私は2014年に新潟大学を退職し、その後は新潟薬科大学の特別招聘教授ならびに学長特別顧問の役職に就き、学生の講義や研究支援とともに様々な新潟薬科大学でのイベントに参加してまいりました。
新潟薬科大学は学校法人「新潟科学技術学園」の傘下にあります。同学園は新潟工業短期大学(上新栄町キャンパス)と新潟医療技術専門学校(上新栄町キャンパスと西新潟中央病院キャンパス)を含め3校を運営しています。私は新潟薬科大学での役職に加えて3年前から同学園の理事と同専門学校校長を併任しておりました。
昨年5月はじめに当時学園の理事長を兼務されていた新潟薬科大学の寺田弘(前)学長が体調を崩され、1ヶ月後の昨年6月にご逝去されました。突然のことで、急遽私が理事長兼学長代行としての重責を担うこととなり、昨年11月25日に新潟薬科大学の学長を任命された次第です。
新潟薬科大学につきましてはご存知の方も多いと思いますが、1977年新潟県における初の4年制私立大学(薬学部)として上新栄町キャンパス内(現在新潟工業短大と新潟医療技術専門学校)に開学しました。その後2006年には秋葉区・現在の新津丘陵のふもとの新津キャンパスに完全移転しました。今日までの44年間にわたり7,000名以上の卒業生を輩出しています。現在では新潟県内の薬剤師の多くを新潟薬科大学の卒業生が占めるようになっています。2002年には食品バイオ系の応用生命科学部、さらに2015年には同学部に食品ビジネス系の生命産業創造学科(新津駅東キャンパス)が開設されています。薬学部では「くすりと健康」分野、応用生命科学部では「食品・バイオ・環境・農学」分野に係わる教育・研究活動を展開し、地域社会には「健康寿命の延伸=健康・自立」を推進する大学として社会貢献に取り組んでいます。大学のビジョンには、“健康・自立社会の実現を目指し「ひと」と「地域」に貢献する”ことを掲げています。その実現には、単に専門知識や技術を備えるのみならず、周囲の方々から信頼されるような専門家「信頼されるプロになる」の育成を大学の目標にしています。
現在、新潟薬科大学では18歳人口の減少などの社会環境の変化に対応しつつ、現在の2学部3学科大学院2研究科から4学部5学科大学院2研究科構成になることを計画中であり、大学単体としては収容定員2,000人規模への組織改革を目指しております。系列校の新潟医療技術専門学校にある2学科を発展的に新潟薬科大学の学部化とし、2年後の2023(令和5)年4月に看護学部と医療技術学部(臨床検査)を新たに開設する予定です。新潟薬科大学としては医療系国家資格の取得を伴う学部・学科を増設することになります。高齢化が進む地域医療に貢献する人材育成を目指し、本学の使命を果たして参りたいと思っています。
新潟薬科大学は地域にとってこれまで以上に「頼りにされる大学」になるよう努力して参りますので、新潟市医師会の皆様には、今後ともご指導・ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(令和3年5月号)