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新潟市医師会報より

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プログラムが開く新しい世界

新潟大学医学部メディカルAIセンター 教授 奥田 修二郎

私の専門はバイオインフォマティクスという医療・医学分野では聞き慣れない領域です。生命科学(バイオ)と情報科学(インフォマティクス)を組合せた学問領域ですが、普段の仕事はすべてコンピュータで行っています。読者のほとんどの方がコンピュータ(パソコン)は使われているかと思いますが、そこで利用しているソフトウェアがどういう原理で動いているかを意識されることはあまりないと思います。ソフトウェアはプログラムとして動いていますが、私達は日々このプログラムを作って仕事をしています。「プログラム」というものがどういうものかもあまりイメージできないかもしれません。A=B、B=CならA=Cのようなルールを組合せることで自動的にあらゆる処理を実行するのがプログラムになります。

ヒトの研究としてゲノムの解析がよく行われています。つまり、DNAを解析するということです。いまでは、次世代シーケンサーと呼ばれる機械を使うことで、一回で数百、数千億塩基というような大量のDNA配列を決めることができるようになりました。データの大きさでいうと数GBというような大きなファイルとなります。この中に含まれる数千万本のDNA配列からどこに塩基置換があるか、というような事を知る必要があります。それを実施するには、様々なソフトウェアを正確に動かして目的の塩基置換の情報を得るということを行います。つまり、ヒトゲノムの研究もまたプログラムを駆使する必要があるということになります。私達は日々そういったプログラムを利用して研究・開発を行っているわけです。

毎日のようにテレビやインターネットで人工知能という言葉が使われるようになりました。現在の技術を駆使すると、医療用人工知能としてCTやMRIのような画像から癌の領域を見つけたり、病理画像を用いた診断をするなど、コンピュータがあたかも医師が診断するかのような結果を出す事ができるようになってきました。中には専門医よりもその判定能力が高い人工知能も作られています。つまり、機械によって人間の医師以上の診断や判断が可能な時代が近づきつつあるということになります。このような人工知能もまたプログラムということになります。

このプログラムはこれからますます進化することに疑う余地はありません。しかしながら、医療用のプログラム(人工知能)がいくら進化したとしても、実物の医師が要らなくなるというような世界にはならないと私は思っています。なぜなら、やはり人間(あるいは人間の脳)は、それ以上に意味のあるものを考える能力を持っていて、機械がそれを超えるようなことは起きないだろうと思えるからです。

皆さんは、学校で英語を勉強してきたので、英語という言語をある程度操る事ができるはずです。英語が話せると世界中の英語話者の方とコミュニケーションを取る事ができるので、圧倒的に世界が広がります。プログラムも一種の言語なので、「プログラムを書く」というのは、「英語を話す」のと同じように新しい言語を覚えることと似ています。プログラムを覚えることは、つまり、全く新しい世界を開くということを意味しています。

新潟市医師会の皆様の中に、このプログラムによって広がる新しい世界に進みたい方がいるのであれば、それを手助けすること、また、皆様と一緒にプログラムを活用した新しい医療の仕組みを作っていきたいと願っています。今後ともよろしくお願い申し上げます。

(令和4年8月号)

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