新潟市医師会 会長 浦野 正美
年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。昨年6月の臨時代議員会において会長職に再選され2期目の医師会運営にあたっております。
新型コロナウイルス感染症対応も3年目に入りました。昨年暮れからの第8波はまだ予断を許さない状況ではありますが、ウイルス自体は弱毒化しており、感染性は強いものの、重症化率は減少しているようです。今後はウィズコロナ時代にむけて、国の方では類型変更に向けて動き始めていますが、第一線の臨床現場で働く先生方の代表としての当会は、各種感染症対応の移行が円滑に進むように調整していきたいと考えております。
昨年11月には2年ぶりに、コロナ禍以前に近い形で、当会の総会を開催いたしました。感染対策を十分にとって、懇親会も行いましたが、幸いクラスターなどの発生はありませんでした。今後も感染状況を適切に判断しながら、医師会活動を通常の形に戻していきたいと考えております。
新型コロナ対応と同時に喫緊の課題として、来年3月に迫った医師の働き方改革に対応した救急医療体制の見直しや、病院の機能分担を考慮した地域医療構想調整推進を始めております。救急医療のICT化については、新潟市急患診療センターの電子カルテ導入について、数年計画で確実に実行できるように検討を始めました。また、新潟医療圏における地域医療調整会議も昨年の8月から2年ぶりに再開しており、現在は主に医師の働き方改革に対応した救急医療体制のあり方について検討しております。
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)に関しては国が様々な政策を出してきていますが、それをただ受け入れるのでなく、現場感覚で検証して、臨床で使いやすいものになるように提案していくことも必要と考えております。
当会においては、昨年7月から発足したN[EXT]A(ネクスタ)を中心に、医師会活動を補完する形で、地域に密着した医療・介護・福祉をめぐる様々な問題を解決するために、産官学連携、多職種連携を基本とした活動を開始しました。2007年4月に政令指定都市に移行した新潟市は都市と田園がうまく調和しており、こうした事業を行うには最適な場所であり、今後は新潟市の街づくりにも協力していきたいと思います。
当会が2013年4月に一般社団法人に移行してから10年近くが経過しておりますが、より近代的な組織になるように、現在、役職員で組織内の業務分担の再編や、各種就業規則の見直しを行っております。これにより、会員の皆様にとってより使いやすく、より親しみのある医師会事務局に発展させると共に、医師会職員が医師会業務に誇りと希望を持ち、かつ働きやすい職場環境になることを目指しております。
新型コロナへの対応がまだ続いておりますが、なんとなくゴールが近づいている気もします。またこの3年近くの新型コロナ対応の中で、様々な課題が明らかになってきました。この教訓を生かして、未来に希望を持てるような医師会活動を続けていきたいと思いますので、引き続きご指導とご協力をよろしくお願い申し上げます。
(令和5年1月号)