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新潟市医師会報より

新潟市医師会

年初の災害と事故、8次医療構想、そして新潟市の救急体制

新潟市医師会 副会長

大滝 一

はじめに

今月から新年度が始まりましたが、新潟県は医師だけでなく看護師、介護職員なども不足している状況に変わりはなく、その中で様々な懸念があった医師の働き方改革もいよいよ実施され、今後の動向が注目されます。

感染症、災害、事故など何が起こるか分からない昨今、情報社会といわれる現代において医療、世情に関する数多の情報をしっかり吟味、整理することが重要で、有用な情報を共有しながら、日々の診療や医師会活動において連携・協力し頑張っていきたいものです。

年初の災害と事故から

2024年は元日の能登半島地震に始まり、2日の羽田空港における航空機接触炎上事故、そして架線トラブルによる新幹線の運休など多難な幕開けとなりました。能登半島の被害は甚大で、全国からDMAT、JMATが応援に駆けつけていますが、地震発生から3か月以上経った今も本格的な復旧には目途が立たない状況です。

新潟市でも西区を中心に多くの被害が出ており、40名ほどの先生方から医院や自宅の被害情報が届いております。医院の損壊が激しく一時的に診療ができなかった医院もありますし、自宅が傾いて、落ち着かない気持ちの悪い日々をお過ごしの先生方もおられ、心よりお見舞い申し上げます。新潟市医師会としては、甚大な災害であり何らかの支援をと考えております。

一方、羽田空港で起きた事故では、能登半島の支援のために新潟空港に向かうはずだった海上保安庁の航空機が日航機と接触し、搭乗していた5人の尊い命が奪われました。衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。

そのような中で、旅客機に搭乗の379人全員が無事避難でき、最悪の事態を免れたことは奇跡と言ってよいかと思います。スタッフの対応があと数十秒遅れ、旅客の中に1人でも指示に従わない人がいたら、事態は大きく変わっていた可能性があります。そう思うとぞっとします。

この2つの事からの課題と教訓として、突発的な災難が起こった場合には、支援・救助の協力体制をいかに迅速にしっかりと構築できるか、また事故などにおいては、普段から万一を想定し実際に即した訓練がきちんと行われているか、が挙げられると思います。

この4年間の新型コロナ感染症のパンデミックでは、オール新潟で難局を何とか乗り越えることができました。行政と医療関係者を中心にしっかりと情報共有してシミュレーションを行い、連携、協力して早め早めに対策を講じた結果と思います。

歴史的に近代の日本は第二次世界大戦などの戦争と、関東大震災、東日本大震災や台風など数々の災害による大きな困難を乗り越えてきました。今回の能登半島地震でも国事としてもっと早急に強力な支援と対応が必要と感じました。

しかし、その国事を決定すべき政治が全くもって情けない状況にあり、残念極まりないといったところです。政治家自身や派閥、党の危機管理も大事ですが、国全体の危機管理、国民のことを真に考えることができる政治家が一体どれほどいるか、甚だ疑問です。

それにしても、日本航空の事故を想定した訓練は素晴らしいものがあります。旅客機の乗員は年に1回、有事の際を想定して「機体の片側から乗客全員を90秒以内で脱出させる」という訓練をしているとのことです。この準備こそが今回大惨事に至らなかった最大の理由と思います。

佐渡沖には大きな地震を起こしうる活断層があるとされています。地震と津波という不慮の災害に対して新潟はいかに対応するか、医師会はどのような対処をするか。新潟市医師会と新潟市では令和元年に災害医療協定を結んでいますが、今一度協定を確認し本格的かつ実践的な対応について検討すべき時期にあると思います。

第8次医療構想

さて、話は変わりますが、2024年度は第8次医療計画の初年度で、この4月から6年間にわたる計画が示されています。これは国と都道府県が策定する医療の基本方針ですが、新潟市医師会としても決して他人事ではなく、新潟県医師会員の半数を占める当会はむしろ最前線の対応という点でこの基本方針は極めて重要となります。

この医療計画では、住民の健康寿命の延伸を基本目標に、医師の働き方改革と偏在対策、救急と在宅医療に関しては地域医療構想と地域包括ケアの構築、病院と診療所においては外来医療機能の見直しとかかりつけ医構想、そしてアフターコロナにおける改正感染症法の施行などがメインの課題となっています。

施策面としては病床数の整備を含めた医療圏の見直し。4つの病期(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)から見た将来の病床数の推計。5疾患6事業に関しての地域の課題と目標の明確化、診療体制の整備などです。加えて特に産科や小児科を中心とした医師確保と在宅医療の充実が挙げられています。

このところの国の考えと動きを見ると、マイナンバーカードや電子処方せんなどのようにかなり強引に、しかも性急に事を進めようとする姿勢がうかがえます。第一線で患者さんと向き合う我々医師会員は、国からの要請と施策の内容をしっかり吟味する必要があるようです。医師会としては、患者目線を忘れることなく、かつ医師会員にとって有益な情報を速やかに配信し、国の動向も注視しながら活動を続けていきたいと考えています。

新潟市の救急体制について

また国が進める医療DXについては、医師会として、第一に急患診療センターの電子カルテ導入を目指しているところです。2025年11月の導入に向けて、いま細部を詰めていますが、新潟市の令和6年度予算に電子カルテ仕様書作成費600万円が計上されたことは、導入に向けて明るい材料と言ってよいと思います。

電子カルテを導入し、事務作業の効率化などから待ち時間の短縮、読みにくい字の誤読による処方ミスの減少、就業スタッフの負担軽減などが実現されるものと思います。

そしてその先には、市内のすべての救急担当病院が電子カルテを導入することで、救急患者の情報を電子媒体で共有するシステムの確立も見えてきます。

メモと電話というアナログ体制の救急が、近いうちにICTを活用したデジタル体制に変わることで、政令指定都市中で最長の搬送時間の短縮も可能になると考えます。それが最終的には救命率の向上、市民への医療サービス向上に繋がると思います。

おわりに

地域枠拡大による新潟大学医学部定員増が将来的には医師不足の解消につながっていくものと思われますが、医師を含めた 医療従事者の不足解消にはまだまだ時間が必要のようです。

医師会では、新潟大学医学部卒業生に新潟に多く残っていただけるよう、学生の学外実習にも力を入れております。実習先として協力いただける先生を募る予定でいますので、その際にはよろしくお願いいたします。

今月から多くのニューフェイスが市内の各医療機関で働き始めていると思います。新潟の医療の将来を担う若き医療人の育成をよろしくお願いいたします。

地域住民の健康維持・増進に目標を置き、かつ会員にとって有益な医師会を目指して今後も英知を結集して活動していきたいと考えております。引き続きご支援とご協力を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

(令和6年4月号)

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