新潟市医師会 前会長
浦野 正美
この度、2期4年務めた新潟市医師会長を令和6年6月28日開催の代議員会をもって退任いたしました。会長任期中に様々なご支援ご鞭撻をいただきました会員の先生方、役員の諸先生、医師会事務局職員の方々、関係諸機関の皆様に一言、御礼を申し上げます。
さて、私が新潟市医師会理事会の役員に加えていただいたのは耳鼻咽喉科医院開業6年目の平成20年でした。当時は医師会事務局と急患診療センターを白山浦から紫竹山に移転する時期で、私の主な使命は、耳鼻咽喉科一次救急医療を、それまでの在宅当番制からセンターでの診療体制へ円滑に移行させることでした。平成21年4月に現在の場所に新潟市急患診療センターは移転し、8診療科で再スタートしました。この一連の移行作業が終了したため、私の当初の役目は終わりましたが、平成22年から4年間は広報部長として、平成26年から2年間は総務部長、平成29年から4年間は副会長を務めさせていただきました。
令和2年6月の会長就任時には、3つの目標(IT化の促進、役職員のスキルアップ、情報の収集と発信)を掲げました。この時期は新型コロナウイルス感染症対応が主体となりましたが、令和5年5月8日に5類に移行してからは医師会活動を徐々に以前の形に戻すよう調整していくと共に、新型コロナ対応で得られた様々な課題に対しての対応方法を模索してきました。この内容については令和6年3月発行の医師会報の特集号として八木澤久美子理事を中心にまとめていただき、「新型コロナウイルス感染症 ~新潟市医師会としての対応~」を掲載させていただきました。
本年4月からはじまった医師の働き方改革に対応した救急医療体制の見直しや、病院の機能分担を考慮した地域医療構想調整推進も始めております。救急医療のICT化については、新潟市急患診療センターの電子カルテ導入について、来年度に確実に実行できるように大滝一副会長を中心に準備中です。
医師会強化については、今までの事務局の業務体制を見直し、未来を見据え時代の状況変化に柔軟に対応可能な組織に再編しました。また、医師会活動を補完する目的で会長2期目に新潟次世代医療科学研究協議会(N[EXT]A:ネクスタ)を設立しました。今後はこのシンクタンク組織は新体制の元で時代に即した形に変化していくものと思われます。
今後も新たな地域医療構想の進展に伴い医療のIT化や効率化が進み、また主に経済的な観点と公的医療保険制度維持のため、医療を取り巻く環境はますます複雑化して、関係諸機関との綿密な調整が必要になってくると思います。医師会の使命としては会員の先生方を誰一人取り残すことなく、時代の流れに合わせて活動していくことだと感じております。4年間の会長職で果たせなかった事案については、岡田潔新会長を中心とした新執行部において、さらに充実した医師会活動を展開していただけるものと期待しております。
最後に新潟市医師会の益々の発展を祈念いたしまして、退任のご挨拶とさせていただきます。