新潟市保健所長(兼 保健衛生部医監)
山崎 哲
新潟市医師会会員の先生方には、日頃より本市の保健衛生行政に多大なご支援・ご協力を賜っておりますことに感謝申し上げます。
私は、昨年11月17日付で、高橋善樹先生の後任として新潟市保健所長を拝命いたしました。遅ればせながら、保健所長就任のご挨拶をさせていただきます。
出身は新潟市です。平成7年に新潟大学を卒業し、新潟大学外科学教室に入局して大学病院、長岡赤十字病院で研修後、平成9年に小児外科に入局して新潟市民病院、山形県鶴岡市立荘内病院、新潟大学等で勤務した後、縁あって行政医として平成18年に新潟市に入職しました。
行政に入ってからは、まず保健所に配属されてしばらくは主に感染症対策を担当し、平成28年に保健衛生部地域医療推進課に異動となり、救急医療や災害医療の対策、地域医療連携などを担当しました。なお、保健所も保健衛生部の機関で、地域医療推進課と保健所保健管理課感染症対策室は同じ施設内(紫竹山の新潟市総合保健医療センター)の同じフロアにあります。異動とはいっても机が少し移動しただけで、込み入った感染症の事例や結核対策などの業務は異動後も継続していました。
そして、新型コロナ対策を機に、令和3年に保健衛生部の副参事、令和4年には保健衛生部の医監を拝命しました。保健所長就任後も医監は兼任しており、引き続き担当課とともに救急医療等の対策にも関わってまいります。
さて、保健所は、法律(地域保健法)に基づいて設置された地域保健衛生行政の担い手であり、法律に基づく業務を行うほかに、自治体としての施策・サービス業務も行っており、地域における健康危機管理の拠点としての役割も担っています。
一般に保健所が担う業務には、対人業務として感染症対策、予防接種、難病対策、がん予防・検診、健康づくり、栄養改善、精神保健、母子保健、歯科保健などがあり、対物業務として食品衛生、環境衛生、衛生害虫対策、医事・薬事、動物愛護、狂犬病対策といった業務があります。
このうち、本市では、母子保健事業は市役所本庁のこども未来部こども家庭課が担当しており、精神保健事業(精神科救急を含む)は保健衛生部こころの健康センターが担っていますが、それ以外は、保健所内の4つの課(保健管理課、健康増進課、食の安全推進課、環境衛生課)が本庁としての業務を担っています。動物愛護、狂犬病対策については、保健所環境衛生課の出先機関である動物愛護センターが担当しています。
昨今、災害対策や地域包括ケアの推進、さらには全世代・全対象型の地域包括支援体制づくりなどにおいて、理念の実現に向けて医療・保健・福祉の一層の連携が求められています。現状では縦割り構造で横のつながりがうまくいかないことが多々あり、道のりは険しいかと思いますが、事業ごと、事例ごとに関係部署と話し合い、連携を深めていきたいと考えており、自分なりに微力を尽くしてまいります。
本市における医療・保健・福祉に関する多くの事業、そして健康危機管理対策においては、市医師会の皆様との連携が非常に大切であり、皆様のご協力、ご支援なしに本市の保健衛生行政は成り立ちません。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
末筆ながら、市医師会会員の皆様のご健勝をお祈り申し上げ、ご挨拶の結びとさせていただきます。
(令和6年9月号)