新潟万代病院 院長
宮坂 大
新潟市医師会の先生方には、日頃より大変お世話になっており、感謝申し上げます。この度、2024年6月1日より、堂前洋一郎先生に代わり、当法人の理事長である湊泉先生より、院長を拝命いたしました、宮坂 大(みやさか だい)と申します。よろしくお願いいたします。
まずは自己紹介させていただきます。生まれは、長野県諏訪市という、とても寒い地域で育ちました(生涯で経験した最も寒い日は氷点下24度です)。諏訪神社、約1万社の総本山である諏訪大社(日本最古の神社の一つです)があり、7年に一度の御柱祭、というお祭りで有名なところです。また、諏訪湖を取り囲む、自然豊かな盆地であり、魅力のある地であると思います。わたくしが最初に赴任した県立新発田病院がある、新発田市にも諏訪神社があり、当時整形外科部長をされていた堂前先生のもとで最初の研修をさせていただけたことも運命を感じております。
新潟万代病院は2015年に新潟逓信病院より経営を引き継ぎ、10年という月日が経過しました。2016年、堂前先生が赴任した当時の当院の方針は、整形外科、特に股関節と糖尿病に特化した医療と地域住民の健康を支える、というものでした。その結果、○億円の赤字病院から脱却し、黒字病院へと変革しております。わたくしも股関節を専門としておりますが、内科医師のサポートのもと、昨年の実績では全国でも有数の手術件数となりました。2024年7月からはロボット支援の手術も開始しており、日々そのすごさを実感しております。常日頃、ご紹介いただいております、新潟市医師会の先生方には、この場を借りて、再度お礼を申し上げます。
昨年6月の診療報酬改定は、現実マイナス改定と、医療業界にとって非常に厳しいものでした。しかし、嘆いていても仕方ありません。ここで大事なことは、故岩永勝義先生(熊本中央病院名誉院長)のお言葉を借りますと、「病院は経営ではない、運営に過ぎない」ということです。つまり、一般的に企業や市場で販売する商品やサービスの価格(値段)をいくらにするか、が経営上最も重要でありますが、医療については診療報酬ですべて決められており、病院独自で決めることはできない、ということです。「決められた枠組みの中で、何を選択し何を取捨するのかが、重要なポイントである」とお話しされております。
当院では、3か月の準備期間を経て、2025年1月より、病床を地域包括医療病棟へ変換することを選択いたしました。一部の職員には働き方の変更をお願いし、どうにかこぎつけられました。最もクリアしなければならなかった問題としては、入院時の看護必要度B3点以上の割合が入院患者の50%以上であること、365日のリハビリテーションの2つでした。変更後1か月以上が過ぎ、新たな船出として、当初想定していた通りの実績が出てきております。
最後になりますが、病院にとって最も大事なことは、職員の生き生きとした働く姿である、と思っております。職員が嬉々として働いていなければ、患者さんを満足させることはできないと考えるからです。医師を含めて、働いている職員全員を支えることができますよう、私が率先し働いてまいります。今後とも、新潟万代病院へのご支援をよろしくお願いいたします。